英国輸出信用保証機関、西アフリカでの建設プロジェクトを支援
(英国、ベナン、トーゴ、ガーナ、コートジボワール、セネガル)
ロンドン発
2022年10月27日
英国政府は10月19日、ベナンとトーゴでの建設プロジェクトに向けた総額1億7,450万ポンド(約296億6,500万円、1ポンド=約170円)規模の金融パッケージを発表した。民間金融機関に対し、英国輸出信用保証局(UKEF)が保証を提供するかたちで支援する。
ベナン政府による南部コトノヌーの12の省庁を収容する政府施設の建設プロジェクトに対し、ドイツ銀行による1億650万ポンドの融資を保証。省庁間のコミュニケーションと生産性を向上し、政府全体の効率性を高めるとしている。建設とエンジニアリングを行うのは、アラブ首長国連邦(UAE)の建設会社アラビアンコンストラクション(ACC)だ。ACCは過去にエジプトのホテルや病院の建設に携わっている。今回のプロジェクトを通じ、3,500万ポンド規模の英国産の製品・材料が輸出されることになるとされている。
また、ベナンとトーゴをつなぐ道路の建設プロジェクトに対し、三菱UFJ銀行からの6,860万ポンドの融資を保証する。これにより、トーゴ中部の20万人以上が安全にベナンとの国境を通過することができるようになるとしている。これで、アフリカ域内貿易の促進と、現地の経済活動の活発化が期待されているほか、英国から同地域へ4,700万ポンド規模の輸出が行われる見込みという。
今回の発表は英国・西部・中部フランス語圏アフリカ貿易・投資フォーラムで行われたもの。英国の政府や企業は近年、フランス語圏アフリカへの関与を強めている。2009年のルワンダに続き、2022年6月にはトーゴとガボンが英連邦に加盟(2022年7月8日記事参照)。加盟の理由としては、英語の重要性や経済発展への影響、外交・文化面でのネットワークなどがあると考えられている(「BBC」6月29日ほか)。
1月に開催されたアフリカ投資会議(2022年2月21日付地域・分析レポート記事参照)では、英政府はUKEFの2021年の西アフリカへの支援額が5億ポンドと、過去20年間で最大となったと発表。西アフリカ最大の市場というガーナのクマシ市場の拡大と現代化、コートジボワールでの6つの病院建設への支援が大きなものとされている。
また、UKEFは7月にも、英スタンダードチャータード銀行によるセネガル政府への1億1,650万ポンドの融資に保証を提供し、同国の火災対応サービスの強化を支援している。
(レイナー・あや)
(英国、ベナン、トーゴ、ガーナ、コートジボワール、セネガル)
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