中銀、政策金利を7.00%に引き上げ、引き続きインフレ警戒

(ペルー)

リマ発

2022年10月11日

ペルー中央準備銀行(BCR)は10月6日、金融政策決定会合で政策金利を前月(2022年9月9日記事参照)に続いて引き上げ、6.75%から7.00%にすると発表した。BCRは今回、0.25ポイントの小幅な引き上げを決定した理由について、以下を考慮したと説明している。

  1. 国際的な食料や燃料価格の高騰により、直近12カ月間の累計インフレ率が8月の8.40%から9月には8.53%となり、政府目標値(1~3%)を上回った。食料とエネルギーコストを除いた12カ月間累計インフレ率も8月の5.39%から9月には5.51%上昇し、同様に政府目標値を上回っている。
  2. 2021年後半から続いている顕著な原油や食料価格の高騰がロシアのウクライナ侵攻でさらに進み、世界的に過去数年間において類を見ないインフレ率の上昇をもたらし、先進国や中南米地域の中銀インフレ目標を大きく上回っている。
  3. インフレ率が前年比で目標値(1~3%)内に収まるのは、食料や燃料価格の高騰が落ち着き、インフレ予想値が下降傾向に転じる2023年の後半(7月以降)となる見通し。
  4. 今後12カ月の累計インフレ率の見通しは、8月から9月にかけて5.10%から4.89%に低下したが、引き続き政府目標値の上限を上回っている。
  5. 経済評価指標や見通し指標の多くが9月に改善したが、多くが依然として悲観的見通しが継続している。
  6. 先進国における政策金利のさらなる引き上げの見通しや中国経済の減速、国際紛争などの影響により、国際経済の2022年と2023年の成長見込みは鈍化傾向にある。

BCR理事会では、引き続きインフレ率やその見通しや経済動向などを注視しながら、不安定な金融市場を下支えしていくとしている。次回のBCR金融政策決定会合は11月10日を予定している。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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