中銀、インフレ懸念で前月に続いて再利上げ、6.75%に

(ペルー)

リマ発

2022年09月09日

ペルー中央準備銀行(BCR)は9月8日、金融政策決定会合で、政策金利を前月(2022年8月15日記事参照)に続いて引き上げ、6.50%から6.75%にすると発表した。BCRは今回の決定について、以下を考慮したと説明している。

1.直近12カ月間の累計インフレ率は7月の8.74%から8月には8.40%と低下したが、食料や燃料などの国際価格高騰により、政府目標値(1~3%)を引き続き上回っている。食料とエネルギーを除いた12カ月間累計インフレ率も7月の5.44%から8月には5.39%に低下したが、同様に政府目標値を上回っている。

2. 2021年後半から続いている原油や食料価格の高騰がロシアのウクライナ侵攻でさらに進み、世界的に過去数年間で類を見ないインフレ率の上昇をもたらし、先進国や中南米地域の中銀目標インフレ率を大きく上回る規模となっている。

3.インフレ率が前年比で目標値(1~3%)内に収まるのは、食料や燃料価格の高騰が落ち着き、インフレ率の予測値が下降傾向に転じる2023年の後半(7月以降)となる見通し。

4.今後12カ月の累計インフレ率の見通しは、7月から8月にかけて5.16%から5.10%に減少したが、引き続き政府目標値の上限を上回っている。

5.経済評価指標や見通し指標の多くが8月に改善したが、多くは依然として悲観的見通しが継続している。

6.先進国で財政抑制策が続く見通しや、ロシアのウクライナ侵攻の影響、過去数カ月改善しているものの消費財やサービスの国際供給不足がいまだ残っている影響により、2022年と2023年の国際経済成長見込みは鈍化傾向にある。

BCR理事会では引き続きインフレや経済動向を注視しながら、不安定な金融市場を下支えしていくとしている。次回のBCR金融政策決定会合は10月6日を予定している。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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