中国共産党規約、習総書記の「核心」としての地位擁護が義務に

(中国)

北京発

2022年10月28日

10月26日に、中国共産党規約の改正版全文が公開された。10月22日の中国共産党第20回全国代表大会(20大)閉幕式(2022年10月25日記事参照)で採択され、どのような内容が盛り込まれるかは発表されたが、改正版の全文は公開されていなかった。

改正版では、「党員が必ず履行すべき義務」として「『4つの意識』の強化、『4つの自信』の堅持、『2つの擁護』をやり遂げる」との項目が設けられた(注1)。「2つの擁護」とは、「習近平総書記の党中央、全党の核心としての地位を断固として守り抜き、党中央の権威と集中的統一的な領導を断固として守り抜く」こととされている。その他、党員が学ぶべきこととして、党の基本知識や科学、文化、法律などの業務上の知識に加え、党の歴史が追加された。

総則では、中国共産党第18回全国大会以降、共産党は「マルクス主義の基本原理と中国の具体的な状況、中華の優秀な伝統と文化を結合し」、習近平氏の新時代の中国の特色ある社会主義思想を作り出したとし、「第1の100年の奮闘目標を実現し、第2の100年の奮闘目標への新たな道のりを開始した」(注2)との内容を追加した。また、習近平氏の新時代の特色ある社会主義思想は「現代中国のマルクス主義、21世紀のマルクス主義、中華文化と中国精神の時代的精華」との評価を追加した。

また、新たに「中国共産党は設立以来、一貫して人民の幸福を図り、中華民族の復興を図ることを初心と使命としてきた」という段落が加えられた。党の組織構築に関しても「忠誠・清廉・責任感のある質の高い幹部を養成する」「(任用には)徳と才能を兼ね備えた上で、徳を優先する」といった要求を追加した。

党幹部に関する内容では、「(幹部の)特権思想、特権的現象に反対する」という文言が追加された。党の規律検査については、国有企業、事業単位(注3)に規律検査チームを駐在させるとの内容が加えられた。これまで、対象は「党と国家の機関」とのみ記載されていたが、範囲が拡大した。

その他、「闘争精神を発揚し、闘争能力を強化する」「中国式現代化により中華民族の偉大な復興を全面的に推進する」「国内大循環を主とし国内・国際の双循環が相互に促進する発展局面の構築を加速し、質の高い発展を推進する」「人民解放軍を世界でも一流の軍隊とする」「断固として『台湾独立』に反対し、抑え込む」といった内容が追加された。

(注1)「4つの意識」は「政治意識、大局意識、核心意識、一致意識(看斉意識)」、「4つの自信」は「中国の特色ある社会主義の道への自信、理論への自信、制度への自信、文化への自信」を意味する。2016年1月の中央政治局会議で「4つの意識」、7月の中国共産党設立95周年大会で「4つの自信」、2018年9月の中央政治局会議で「2つの擁護」がそれぞれ初めて提唱されたとされる。

(注2)第1の100年の奮闘目標は、中国共産党創立100周年に当たる2021年までの「小康社会」(ややゆとりある社会)の全面的完成、第2の100年の奮闘目標は、中華人民共和国成立100周年に当たる2049年までの「社会主義現代化強国」の全面的建設を指す。

(注3)国が社会的公益を目的とし、国家機関もしくは国有資産を利用するその他の組織を通じて運営する、教育、科学技術、文化、衛生などの社会サービスを行う組織。

(河野円洋)

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