中国共産党第20回全国代表大会が閉幕、李克強首相などが退任へ

(中国)

北京発

2022年10月25日

中国共産党の第20回全国代表大会(20大)(2022年10月18日記事参照)が10月22日に閉幕した。閉幕式では、党の指導部となる第20期の中央委員会(注)および中央紀律検査委員会の各委員を無記名投票で選出した。加えて、開幕式での習近平総書記の報告のほか、中国共産党規約の改正案を採択した。中央委員会の任期は5年。

第19期に党の最高指導部である中央政治局常務委員を務めた李克強首相(常務委員は17期から)、汪洋中国人民政治協商会議全国委員会主席、韓正副首相は中央委員に選出されなかった。常務委員について、近年は一般に67歳以下であれば再選、68歳以上は退任というかたちがとられてきたが、李首相、汪主席はともに67歳での退任となる。なお、首相、主席としての任期は、2023年の全国人民代表大会および中国人民政治協商会議の開催までとなっている。

中国共産党規約の改正案については、習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想の新たな発展、闘争精神の発揚・闘争能力の増強、共同富裕の実現、国内大循環を主とする国内・国際の双循環などについてのほか、党の全面的領導を堅持し強化するといった内容を新たに加えるとした。

国防や外交に関しては、人民解放軍を世界でも一流の軍隊とすることや、「一つの国家、二つの制度」という方針の貫徹、「台湾独立」反対などを盛り込むとしている。同時に、平和・発展・公平・正義・民主・自由な全人類の共同の価値の発揚なども盛り込む。改正された規約全文は閉幕時点では公開されていない。

また、閉幕式の途中で、胡錦涛前総書記が退席した。新華社はツイッターの英語アカウント上で、原因は健康上の問題と投稿している。

(注)中国共産党規約では、中央委員会は「党の最高領導機関」とされており、中央委員と候補委員からなる。両委員は全国代表大会で選出される。中央委員会全体会議は毎年少なくとも1回開催され、閉会中は中央政治局委員会および常務委員会が同会議の職権を行使する。中央委員会の総書記は常務委員から選出するとされている。第20期は中央委員205人、候補委員171人が選出された。

(河野円洋)

(中国)

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