アフリカ大陸自由貿易圏の試験プログラムが始動
(アフリカ、ガーナ、ケニア、ルワンダ)
中東アフリカ課
2022年10月07日
アフリカ7カ国において、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)(2019年7月31日付地域・分析レポート参照)のフレームワークを実際に用いて貿易を行う実験的なプログラムが始動した。この「ガイデッド・トレード・イニシアチブ」と呼ばれるプログラムは、2022年7月のAfCFTAに係る貿易大臣会合で実施が合意されたもの。カメルーン、エジプト、ガーナ、ケニア、モーリシャス、タンザニア、ルワンダの7カ国が参加し、セラミックタイルや、バッテリー、サイザル繊維、コーヒー、茶、加工肉製品など特定品目で、各国の企業が実際にAfCFTAのルールにのっとり、貿易を行う。
現地報道によると、ケニア・アソシエイテッド・バッテリーマニュファクチャリングがケニアで製造した、インドの大手電池メーカーブランドの電池が、AfCFTAフレームワークによるケニア第1号としてガーナに輸出され、9月23日に同国のテマ港に到着したことを報じている。また、ルワンダ貿易省も、同国のイギレ・コーヒーが、ガーナ向けのコーヒー輸出のため、AfCFTAフレームワークに基づく最初の原産地規則を発行したことを10月1日に発表した。
AfCFTAは、2021年1月に運用開始が宣言されている(2021年1月7日記事参照)が、砂糖や衣料、自動車など一部の分野で原産地規則に係る交渉がまとまっておらず、また、各国が提出する関税譲許表も出そろっていないため、実質的な運用開始に至っていない。今回の試験プログラムの実施により、実務的には、通関手続きなど制度面でテストを行うと同時に、政治的にはAfCFTAが実現可能であることを内外にメッセージとして発信したい狙いだ。
(佐藤丈治)
(アフリカ、ガーナ、ケニア、ルワンダ)
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