マスターカードがフィンテックVCへの投資を発表

決済サービス大手のマスターカードは10月11日、エジプトのベンチャーキャピタル（VC）のエヌクルード（Nclude）に戦略的投資を行うと発表した。エヌクルードは、エジプトの大手銀行3社が提携して立ち上げたフィンテックに特化したVC投資プラットフォームで、同国の金融包摂（注）に資するスタートアップ企業の支援を目指している。

エジプト中央銀行が6月に発表した報告によれば、2022年上半期のエジプトのフィンテック企業の資金調達額は過去最高の1億6,700万ドルに上り、2017年の調達額100万ドルから飛躍的な成長を遂げている。これは、2021年通年での調達額（1億5,900万ドル）をも上回る金額だ。

マスターカードは2022年2月に、エジプト初のマイクロファイナンス（貧困層向けの小口融資）アプリケーションを運営するフィンテック企業カシャット（Kashat）との提携を発表、同国のフィンテック市場に関与してきた。今回のエヌクルードへの投資により、成長を続けるエジプトのフィンテック市場における有望企業への投資をさらに進める。

（注）ファイナンシャル・インクルージョン。国民全員が基本的な金融サービスを受けられること。

（塩川裕子）