コンプライアンス優良企業に対する貿易手続き簡素化プロジェクトへの参加要件を緩和

(メキシコ)

メキシコ発

2022年10月20日

メキシコ経済省は10月12日、国家貿易統合システム(SNICE)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの特設サイトを通じ、貿易関連手続きや税務、労務などのコンプライアンスが確保されている企業を認定し、貿易手続きの簡素化を進める「貿易コンプライアンス認定企業(ECCE)」のパイロットプロジェクト(2022年9月2日記事参照)についての参加要件の緩和を発表した。同プロジェクト参加の申請期限としては、当初9月30日が設定されていたが、9月28日になって期限が10月31日まで延長されていた。しかし、プロジェクト参加で得られる具体的な恩典についての発表が現時点でもなされていないこともあり、経済省が想定していたよりも企業の応募が少なかったとみられ、今回、パイロットプロジェクトへの参加要件が以下のとおり大幅に簡素化された。

(1)所定フォーマットへの入力必須項目としては、企業の基本的なデータに加え、貿易に関する基本的なデータ(売上額、輸出額、輸入額、輸出経験、輸出先、輸入先、貿易プログラムの登録・認定状況など)のみとし、企業のコンプライアンス順守に向けた体制やリスク分析、貿易手続きや税務、労務におけるコンプライアンス順守状況などについての自己評価を行うことを申請時には不要とする。

(2)法的代表者が署名した自由書式の書簡の中で、パイロットプロジェクトへの参加の意思を伝え、パイロットプロジェクト実施期間中にコンプライアンス順守についての自己評価を行うことと、指定したEメールアドレスを通じて経済省との間の連絡と情報交換を行うことを約束する。

また、可能であれば、前述の自由書式の書簡の中に、以下の情報を盛り込むことが望ましい。自社がプロジェクト参加で得たいと思っている恩典について、5つ書き込むことが可能になっている。

○ 自社内にコンプライアンスを管理するプログラムやシステムを整備している場合、いつから整備しているか

○ 自社内で内部監査を行っている場合、どのぐらいの頻度で実施しているか

○ 自社の貿易オペレーションにおいて、3つの課題・問題を挙げるとしたらどのようなものか

○ ECCEのパイロットプロジェクトに参加しようと思った理由は何か

○ 自社にとって最も有益な恩典を5つ挙げるとしたら何か

経済省は、申請書類を受け取った後に分析を行い、パイロットプロジェクト参加企業50社を選定する。選定結果は申請企業が指定したEメールアドレスに送付するほか、SNICEの専用サイトでも公開する。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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