米パーミアン盆地の新規石油・ガス井の平均生産量、2021年に過去最高記録

(米国)

ヒューストン発

2022年10月04日

米国エネルギー情報局(EIA)は9月30日、パーミアン盆地に新たに設置された石油・ガス井の平均生産量(原油換算量)は2021年に過去最高の日量960バレルを記録したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(注)。同盆地はテキサス州西部とニューメキシコ州南東部の一部にまたがる広大な地域で、国内有数のシェールオイルとシェールガスの生産地として知られており、2022年6月時点でパーミアン盆地は米国の原油生産量の約43%、ガス生産量の約17%を占めている。

同盆地に新たに設置された石油・ガス井の平均生産量は12年連続で増加している。EIAは平均生産量が拡大している理由として、掘削技術や地下状況に合わせた仕上げ技術の向上により、石油・ガス生産企業が石油・ガス井から経済的に抽出できるようになったためとしている。また、パーミアン盆地では、過去数十年にわたり、垂直石油・ガス井から生産してきたが、2010年以降は水圧破砕と水平掘削技術の進歩により、石油・ガス井当たりの生産量が急速に増加したためとしている。

同盆地の水平石油・ガス井の新規掘削数は、2010年の350本から、2021年には4,524本に増加した。水平石油・ガス井の平均の長さは、2010年の4,000フィート(約1,219メートル)未満から、2022年1~9月で1万フィート(約3,048メートル)以上に拡大している。EIAは、同盆地での生産が引き続き米国の原油・天然ガスの総生産量の増加を牽引すると予測している。

パーミアン盆地を巡っては、8月1日に米環境保護庁(EPA)が大気汚染物質や温室効果ガス(GHG)の排出源となっているとして、排出源を特定するため、飛行観測を実施すると発表した(2022年8月2日記事参照)。一方で、米石油・ガス開発関連団体は8月30日に同盆地での米国経済やエネルギー安全保障への貢献を示す報告書を発表した(2022年9月9日記事参照)。

(注)各年の第1四半期(1~3月)の日量の生産量の平均。

(沖本憲司)

(米国)

ビジネス短信 42ac2aa0b1bec93b