米石油・ガス開発関連団体、パーミアン盆地での業界の貢献示す報告書を発表

(米国)

ヒューストン発

2022年09月09日

世界的な石油・ガス開発企業17社で構成する「パーミアン戦略パートナーシップ」(PSP、注1)は830日、パーミアン盆地約1,500 億ドルの石油・ガス生産額約70万人の雇用に貢献しているとの報告書を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同盆地は、テキサス州西部とニューメキシコ州南東部の一部にまたがる広大な地域で、国内有数のシェールオイルとシェールガスの生産地として知られている。

PSPによると、2050年までにパーミアン盆地における石油・ガス総生産高は最大2,600億ドルに達し、100万人以上の雇用を創出すると予測されている。同盆地には、石油が945億バレル、天然ガスが2133,000億フィート存在するという。同盆地がテキサス州全体に占める人口の割合は1.6%にすぎないが、同州の民間部門におけるGDP7.8%を担っているとされる。また、同盆地は2021年にテキサス州へ118億ドルの税金を収め、508,800人の雇用を創出し、2022年に州公立大学基金へ19億ドルを納めるなど同州経済に貢献しているとしている。

PSP会長で、ジョージ・ブッシュ(子)政権時に商務長官を務めたドン・エバンズ氏は「パーミアン盆地は、世界最大の安全なエネルギー供給地だ。テキサス州は、この地域のインフラへの投資と拡張を継続する必要がある。これにより、エネルギー産業は、わが国の経済を強くし国の安全を維持するために必要なエネルギー資源を供給する能力を高めることができる」と述べている。

PSPの主要企業であるシェブロンは、パーミアン盆地での取り組みを進めており、616日に同盆地における2022年の生産量の見通しを、前年比15%以上の増加となる日量70万~75万バレル(石油換算相当)に上方修正した(2022年6月17日記事参照)。715日には、同盆地での石油・ガス生産中に発生する随伴水(注2)をリサイクルし、再生水としての利用を増やすなど、環境負荷軽減に向けた取り組みも発表している(2022年7月20日記事参照)。また、811日には、同盆地の石油・ガス事業で用いる電力の一部を賄うために、太陽光発電プロジェクトを着工したことを明らかにしている(2022年8月12日記事参照)。

(注1)同パートナーシップは、パーミアン盆地の安全と環境に配慮した操業を目的として設置された。構成メンバーは、シェブロン、オクシデンタル、コノコフィリップス、シュルンベルジェ、ハリバートンなど17社。

(注2)原油などの生産時に、ともにくみ上げられる地下水。

(沖本憲司)

(米国)

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