米テラパワーとパシフィコープ、次世代原子炉の導入に向け提携

(米国)

ヒューストン発

2022年10月28日

次世代原子炉開発を手掛ける米国テラパワーは10月27日、米国電力会社のパシフィコープと、次世代原子炉の導入に向けた共同調査を実施すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。本調査では、パシフィコープが電力を供給する米国西海岸地域で、最大5つの次世代原子炉の導入可能性について評価する。

テラパワー社長兼最高経営責任者(CEO)のクリス・レべスク氏は「本調査は、パシフィコープの顧客のために将来の電力網を構築するに当たり重要なステップであり、米国のエネルギー転換を積極的にリードする電力会社が、次世代原子炉を導入するという具体例だ」「われわれは、当社の実証プラント(2021年6月9日記事参照)で培った知見と能力を活用して、新しい次世代原子炉プラントの候補地を評価できることを楽しみにしている」と述べた。

テラパワーの開発する次世代原子炉は、ナトリウム冷却型高速原子炉技術と溶融塩エネルギー貯蔵システムを組み合わせていることが特徴で、従来の原子炉と比べて安全で高効率な原子炉だとされている。

米国エネルギー省(DOE)は2020年に、先進原子炉を2020年代末までに開発、建設、実証する先進原子炉実証プログラム(ARDP)に、テラパワーと米国の小型モジュール式原子炉(SMR)技術開発を行うXエナジーを選定しており、両社による次世代原子炉プロジェクトが進行している。テラパワーは2022年10月に核燃料開発を手掛ける米国グローバル・ニュークリア・フュエル・アメリカズ(GNF-A)と、ノースカロライナ州で次世代原子炉用の核燃料製造施設の建設を発表している(2022年10月25日記事参照)。また、Xエナジーは10月にテネシー州で核燃料製造施設の建設開始を発表している(2022年10月19日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国)

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