米テラパワー、ワイオミング州で次世代原子炉の実証プラント建設
(米国)
ヒューストン発
2021年06月09日
米国・マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が設立した原子力の主要技術革新企業テラパワー(本社:ワシントン州ベルビュー)、投資家のウォーレン・バフェット氏が所有する電力会社パシフィコープ(本社:オレゴン州ポートランド)、およびマーク・ゴードン・ワイオミング州知事は6月2日、ワイオミング州に次世代原子炉の実証プラントを建設すると発表した。実証プラントの具体的な建設地は、2021年末までに発表される予定だ。
建設が予定されている次世代原子炉を構成する技術は、ナトリウム冷却型高速原子炉と溶融塩エネルギー貯蔵システムを組み合わせていることが特徴だ。実証プラントは発電能力が345メガワット(MW)のナトリウム冷却型高速原子炉で、溶融塩エネルギー貯蔵システムを組み合わせることで、最大出力が500MWとなる。テラパワーは2020年、実証プラントの建設費を約10億ドルと試算している(ロイター6月2日)。
米国エネルギー省は2020年10月、テラパワーの実証プロジェクトに8,000万ドルの助成金を付与しており、今後数年にわたり、追加の助成が実施される予定だ。
テラパワーは今後、実証プロジェクトのさらなる評価、啓発、広報活動に取り組むほか、実証プラントの用地確保のための州・連邦規制当局の承認取得に向け、取り組みを進めるとしている。
ゴードン知事は「ワイオミング州が本実証プロジェクトの実施場所として選定されたことをうれしく思う」「ワイオミング州は、革新的なエネルギー技術が商用化される場所であるべき」と述べている。
(沖本憲司)
(米国)
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