英政府、ロシアによるウクライナの一部併合を受け新たな制裁を発表

(英国、ロシア、ウクライナ)

ロンドン発

2022年10月06日

英国政府は9月30日、ロシアがウクライナ東部・南部の4州を併合(2022年10月3日記事参照)したことを受けて、新たな経済制裁の実施を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ロシアが依存する西側諸国のサービスへのアクセスを禁じるとともに、ロシアの産業、技術力に不可欠な約700品目の輸出を禁止する。

英国政府によると、ロシアはサービスの67%を経済制裁実施国から輸入している。

今回英国がアクセスを禁じたサービスは以下のとおり。

  • ITコンサルティング
  • 建築
  • エンジニアリング
  • 広告
  • 取引上の法務アドバイザリー
  • 監査

英国政府によると、ロシアは全ての法務サービスの85%をG7諸国から輸入し、英国はこれらの輸入のうち59%を占めている。ロシアは、建築およびエンジニアリングサービスの77%をG7から輸入。また、ロシアが輸入する会計、監査、簿記、税務コンサルティングのうち、80%が英国・EU・米国からのものと推定されている。ITコンサルティングについては、ITシステムやソフトウエアの開発も輸入禁止の対象に含む。英国政府によれば、ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、17万人以上のIT専門家がロシアから流出した。

ロシアへの輸出が禁止された約700品目には、ロシアの製造業での生産に不可欠な何百もの商品が含まれており、これらの2021年における英国からの輸入は合計2億ポンド(約330億円、1ポンド=約165円)超とされている。

英国政府は、ジェームズ・クレバリー英外相が、ロシアによるウクライナの主権領土の違法な併合に最も強い言葉で抗議するために、アンドレイ・ケリン駐英ロシア大使を外務省へ召喚するよう指示したこともあわせて発表した。

さらに、ロシア中央銀行総裁のエリビラ・ナビウリナ氏を資産凍結と渡航禁止の対象とすることも明らかにした。

(菅野真)

(英国、ロシア、ウクライナ)

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