1~9月の対内直接投資額は111億ドル、洋上風力の大型案件が寄与
(台湾)
中国北アジア課
2022年10月24日
台湾経済部の投資審議委員会は10月20日、2022年1~9月の投資動向を発表した。対内直接投資額(認可ベース、以下同様、中国を除く)は前年同期比2.5倍の111億4,097万ドル、件数は6.7%減の1,836件だった。
同委員会は金額の増加要因として、当局が打ち出しているグリーンエネルギーと洋上風力発電の推進政策が関連の大型投資(および増資)を呼び込んでいると指摘。主な関連の投資案件として、6月にはデンマークのオーステッドによる増資案件と、オランダのノースランド・パワー・ハイロン・ホールディングスによる増資案件の2件のグリーンエネルギー分野に関する大型案件を認可したほか(2022年7月28日記事参照)、7月には台湾セメントの英国領ケイマン諸島登記子会社TCCインターナショナルによる台泥循環能源科技と同社子会社のリチウム電池メーカー能源科技への投資(120億台湾元、約564億円、1台湾元=約4.7円)を認可。続く8月にも、タイのグローバル・リニューアブル・シナジーによる再生エネルギー発電設備などを手がける環球能源への増資(99億9,950万台湾元)を認可した。このほか、日本企業による大型案件としては、東京海上日動火災保険による新安東京海上産物保険への増資(73億7,596万200台湾元)などがあった。
1~9月期の国・地域別投資額では、デンマーク32億1,182万ドル(構成比28.8%)、英領ケイマン諸島や英領バージン諸島などの英領中南米地域18億6,540万ドル(16.7%)、日本14億9,659万ドル(13.4%)、オーストラリア11億4,352万ドル(10.3%)、オランダ8億6,135万ドル(7.7%)だった。この上位5カ国・地域からの投資は1~9月期の投資額の77%を占めた。
業種別では、金融・保険業48億1,340万ドル(構成比43.2%)、卸・小売業16億1,596万ドル(14.5%)、電力・ガス供給業14億4,462万ドル(13.0%)、機械設備製造業7億7,734万ドル(7.0%)、情報通信業4億2,170万ドル(3.8%)だった。この上位5業種で同期の投資額の81.5%を占めた。
なお、中国からの1~9月期の直接投資額は前年同期比34.7%減の1,925万ドル、件数は38.5%増の36件だった。2022年9月までの業種別の累計では、卸・小売業7億2,300万ドル(構成比28.4%)、電子部品製造業4億392万ドル(15.9%)、銀行業2億144万ドル(7.9%)だった。
(柏瀬あすか)
(台湾)
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