ジェトロ、アフリカ大陸自由貿易圏について南ア政府との意見交換会を開催

(南アフリカ共和国、アフリカ、日本)

中東アフリカ課

2022年10月19日

ジェトロは10月13日、在日南アフリカ共和国大使館と共催で「アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)に係る南アフリカ政府との意見交換会」を開催した。南アでビジネスをする日本企業など約20社・団体が参加した。

訪日した南アのナレディ・パンドール国際関係・協力相は会合で、アフリカ域内の貿易は現在11%で、その他は域外との貿易となっており、AfCFTAが域内貿易を増加させる重要な枠組みと主張した。また、域内貿易拡大のためには、鉄道や港湾、道路などのインフラ整備、税関の効率化とデジタル化が必要と指摘した。既に多くの品目で関税率が合意されており、原産地規則や支払いシステム、通関システムなどの対応を進めているという。なお、アフリカ7カ国では試験運用プログラムが開始された(2022年10月7日記事参照)。

同大臣はAfCFTAによる経済の影響について、悪影響を恐れる国もあるが、大陸全体では成長につながるとの見通し示した。世界銀行によると、AfCFTA経済圏は、2030年までに3兆4,000億ドルの経済規模に成長する可能性がある。アフリカでは現在、プラチナやコバルト、アルミニウム、ダイヤモンドなどの素材は産出されているが、それらを使った製造業が発展していないと述べ、AfCFTAを活用したアフリカ域内連携による製造業拡大に期待を示した。また、在日南ア大使館のリアン・レ・ルゥー参事官は、自動車や農業・食品加工、医薬品、物流などへの投資にチャンスがあると説明した。

日本との関係、期待にも言及

ルラマ・ンゴニャマ駐日南ア大使は、南アへの日本の投資額は国別で5位で、約200社の日系企業が進出し、約20万人の雇用を生み、日本が南ア経済成長に貢献していると述べた。また、日本からアジア諸国への投資や人材育成が同地域の発展に貢献したことにも触れ、失業率が高い南アに対する日本の投資や人材育成への期待を示した。

(井澤壌士)

(南アフリカ共和国、アフリカ、日本)

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