カザフスタン、中国国境の州のインフラ整備に弾み

(カザフスタン、中国)

タシケント発

2022年10月19日

カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は9月30日、地方視察の一環で訪問したアバイ州(注1)セメイ市で地域住民を集めた会合を開催し、同州のインフラ整備を進める意向を明らかにした(大統領府ウェブサイト9月30日)。

トカエフ大統領はロシアと中国に国境を接する同州の地理的メリットを生かし、輸送や物流、貿易、経済の可能性を最大限に引き出すため、インフラ再構築の必要性を強調。道路や橋など交通インフラの修理、熱電併給発電所の近代化、教育機関の拡充、農産物加工の強化、旧核実験場跡地の非汚染地域の農地化(注2)のほか、中国との貿易を活性化させるため、鉄道を中国国境のバフト(注3)へ接続させ、ドライポート、物流パークを建設するなど、インフラ整備に関する包括的開発計画の策定を政府に指示した。

10月現在、セメイ市内を流れるイルティシュ川には1964年に建設され老朽化した橋のほか、2002年に日本の有償資金協力で完工し、セメイつり橋の通称で親しまれているイルティシュ川橋梁(きょうりょう)がある。トカエフ大統領は両橋の大規模な改修工事と、2022年7月に新たに建設することが決まった第3の自動車用の橋を予定期間内に完工させるよう指示した。

写真 1964年建設の橋。第3の橋完成後は歩道橋として利用される予定(2022年7月、ジェトロ撮影)

1964年建設の橋。第3の橋完成後は歩道橋として利用される予定(2022年7月、ジェトロ撮影)

写真 イルティシュ川橋梁。路面のアスファルト舗装が一部剥がれるなど補修が必要とされる(2022年7月、ジェトロ撮影)

イルティシュ川橋梁。路面のアスファルト舗装が一部剥がれるなど補修が必要とされる(2022年7月、ジェトロ撮影)

(注1)アバイ州は5月の地方行政機構再編で復活した(2022年5月9日記事参照)。州都セメイ市(旧名:セミパラチンスク市)は帝政ロシア時代、文化・交易で栄え、多くのカザフ知識人を輩出したカザフ文化の中心地とされる。

(注2)ソ連時代の遺産である旧セミパラチンスク核実験場では、放射能汚染で地域住民への深刻な健康被害が発生した。実験場閉鎖後30年が経ち、放射能の影響がない地域を経済活動に利用するための法案「セミパラチンスク核安全地帯について」が下院を通過している。実験場跡地面積約1万8,000平方メートルのうち、5割が非汚染地域とされている(タス通信2021年12月23日)。

(注3)現在、カザフスタンと中国間で国境を鉄道で越えるのは、アルティンコリ=ホルゴス、ドルージバ=アラシャンコウの2つのポイントがある。

(増島繁延)

(カザフスタン、中国)

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