トカエフ大統領が地方行政機構を再編、3州が復活

(カザフスタン)

タシケント発

2022年05月09日

カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は5月3日、地方行政機構の再編を行う大統領令(第887号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に署名した(大統領府ウェブサイト5月4日)。

既存の東カザフスタン、アルマトイ、カラガンダの3州を分割し、それぞれからアバイ(注1)州、ジェティスー州、ウルタウ(注2)州を新設する(添付資料表参照)。州都は、セメイ市(アバイ州)、タルディコルガン市(ジェティスー州)、ジェズカズガン市(ウルタウ州)となる。アルマトイ州の州都はタルディコルガン市からカプシャガイ市に移管され、クナーエフ市と改名される(注3)。同法令は6月8日から発効する。

地方行政機構の再編は、3月16日の年次教書演説で発表されており(2022年3月24日記事参照)、州を分割することによって行政の効率化と地域経済の発展を推し進めること、さらに地方出身の偉人や歴史的地名を州名に冠することで、地元に親しまれる地方行政を目指す意向だ(大統領府ウェブサイト3月16日)。

今回の再編について、専門家からは「行政区を小さくすることでより地域に適した施策を行うことができる」「行政府の負担が軽減される」と前向きな意見がある一方で、「今までに何度か再編があったが、どれも経済効果に結びついていない」という否定的な意見もある(カピタルKZ 3月16日)。

今回新設された3州は、名称と領域に若干の違いはあるが、1997年5月3日の再編まではセミパラチンスク州、タルディコルガン州、ジェズカズガン州として存在していた。政治学者のダニヤル・アシンバエフ氏は、これら3州が廃止されてからちょうど25年となる日に今回の大統領令に署名したことについて、「継続性や歴史的伝統を復活させ、誰もが納得する根拠に基づき、新しいカザフスタンを創設しようというトカエフ大統領の意志を表している」と述べている(インフォームビューロー5月4日)。

(注1)アバイ・クナンバエフ(1845~1904年):カザフ人の啓蒙(けいもう)家、詩人。

(注2)ウルタウ(「偉大な山」の意):カザフスタンのほぼ中央に位置し、古くから遊牧民の神聖な場所とみなされている。

(注3)ディンムハメッド・クナーエフ(1912~1993年):カザフ・ソビエト社会主義共和国時代、25年近くカザフ共産党第1書記を務めた政治家。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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