FATF、ミャンマーをブラックリストに追加

(ミャンマー)

アジア大洋州課

2022年10月27日

資金洗浄やテロ資金供与対策に関する国際的な基準策定機関の金融活動作業部会(FATF)は1021日、ミャンマーをブラックリスト(行動要請対象の高リスク国・地域)に追加すると外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。北朝鮮、イランに続き3カ国目のブラックリスト入りとなる。

ミャンマーは2016年に資金洗浄やテロ資金供与対策に改善が必要な強化モニタリング対象国(グレーリスト)から外れたものの、20202月には再度グレーリスト入りしていた。ミャンマーは資金洗浄やテロ資金供与対策の改善にコミットしたものの、20219月に改善計画の期限が切れ、それから1年が経過しても計画の大半に進展が見られないことから、今回ブラックリスト入りとなった。

今回の措置で直に外貨取引ができなくなるわけではないが、FATFやその加盟国によるミャンマーとの取引に対する監視強化や、ミャンマー国内の金融会社への監視強化、米国による経済制裁の動向などに影響が出そうだ。

ミャンマーでは20224月以降、ドルから現地通貨チャットへの強制兌換(だかん、2022年4月6日記事参照)や国内取引でのチャット使用義務付け(2022年5月30日記事参照)など金融規制を強化し、企業活動や人々の生活に多大な影響が出ている。今回のブラックリスト入りにより、今後の実務にどのような影響が出るか注視が必要だ。

(アジア大洋州課)

(ミャンマー)

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