バイデン米大統領、新型コロナ2価ワクチンの接種を強く推奨

(米国)

ニューヨーク発

2022年10月26日

米国のジョー・バイデン大統領は10月25日の記者会見で新型コロナウイルス改良ワクチン(2価ワクチン)の追加接種の必要性を訴えるとともに、記者の前で自身の追加接種を実施した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。バイデン大統領は7月21日に新型コロナウイルス感染の陽性が確認されたため(2022年7月22日記事参照)、米疾病予防管理センター(CDC)が推奨する3カ月の待機期間を経たのちの接種となった。

会見でバイデン大統領は、従来型ワクチンの接種や過去の新型コロナ感染では、国内で現在主流の変異株への対応には十分でないとした。その上で、冬に向けて感染拡大が予想されることを踏まえ、可能ならば10月末までに2価ワクチンの追加接種を済ませるよう訴えた。また、2価ワクチンは現在まん延しているオミクロン株に対抗するために開発されたもので、95%の米国民は居住地から5マイル(約8キロ)以内に接種会場があり、そこで無料で接種できることを強調した。一方で、現在までに2価ワクチンを接種した米国人は約2,000万人にとどまり、それでは十分ではないと述べた。

今後の定期的な接種の必要性については、「ワクチン接種を完了した5歳以上の米国人は、インフルエンザワクチンのように、最新の新型コロナワクチンを1年に1度接種することを推奨する」とした。高齢者や感染による重症化リスクの高い人は、年1回以上の接種になる可能性についても言及した。

バイデン大統領は今回の会見で、2価ワクチンが無料であることを繰り返し強調した。主要メディアによると、ファイザーは10月20日、投資家向け電話会議で、米国政府による同社からの新型コロナワクチン購入プログラムが2023年に終了した後、接種1回の価格を110ドルから130ドルに値上げする見通しを発表しており、これを受けたものと考えられる。

(吉田奈津絵)

(米国)

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