米フィリップス66とフリーワイヤ・テクノロジーズ、EV急速充電サービス開始

(米国)

ヒューストン発

2022年10月18日

米国石油精製大手フィリップス66(本社:テキサス州ヒューストン)は10月17日、本社近くの同社の旗艦給油所に、電気自動車(EV)充電器を手掛ける米国スタートアップのフリーワイヤ・テクノロジーズ(本社:カリフォルニア州サンレアンドロ)の急速充電器を設置し、EV利用者向けの急速充電サービスを開始したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。EV利用者から高まる外出先での急速充電の需要に応える狙いがある。

両社は6月1日に、フィリップス66が米国内で展開する約7,000カ所のガソリンスタンドなどへのEV用急速充電器の導入に向けた同意書を締結していた(2022年6月8日記事参照)。フィリップス66は「フィリップス66」「76」「コノコ」のブランドからなる、国内約7,000カ所のガソリンスタンドのネットワークを有効に活用する計画だ。

フリーワイヤの製造する蓄電池統合型急速充電器は蓄電池を内蔵し、既存の低圧受電契約のままで急速充電を提供することが可能。許認可の制約を受けずに設置までのリードタイムを短縮し、設置・運用コストを比較的安価に抑えられることを特徴としている。

フィリップス66の米国マーケティング担当バイスプレジデントのロッド・パーマー氏は「当社の旗艦給油所にフリーワイヤのEV充電器を初めて設置したことは、低炭素化ソリューションを追求する当社の取り組みと同様に、EV充電への重要なステップとなる」「フリーワイヤの充電器により、消費者が求めている急速充電の体験を提供することが可能となる。当社の既存の幅広い給油所の中から、戦略的な場所に充電器の設置を進めていく」と述べた。

モビリティー部門の脱炭素化に向けた最近の動きとしては、7月の米蓄電池メーカー、リブテラのEV充電向け高性能蓄電池の開発に向けたシリーズAでの600万ドルの調達(2022年7月20日記事参照)、8月の米トヨタ・リサーチ・インスティテュートとノースウェスタン大学の輸送部門脱炭素化の新材料発見での提携(2022年8月25日記事参照)、9月のトヨタと米ケンワースによるロサンゼルス港などでの燃料電池トラックの実証実験完了(2022年9月26日記事参照)などがある。

(沖本憲司)

(米国)

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