米蓄電池メーカーのリブテラ、シリーズAで600万ドル調達、EV充電向け高性能蓄電池の開発に
(米国)
ヒューストン発
2022年07月20日
米国蓄電池メーカーのリブテラ(本社:テキサス州ヒューストン)は7月19日、ノルウェーのエネルギー大手エクイノールとエネルギー専門の米国投資会社SCFパートナーズから、シリーズA(注)により、600万ドルの資金調達を行ったと発表した。調達した資金は、電気自動車(EV)の充電ステーションなどに用いられる蓄電池の製品開発や雇用、商業化に充てる。
再生可能エネルギー発電の普及とエネルギー需要の電化に伴い、エネルギー貯蔵技術の必要性が高まっている。リブテラの主力市場は急速EV充電だ。同社は自社の蓄電池の強みとして、EV充電の運営会社が既存インフラを大規模にアップグレードする必要はなく、設置時間を短縮でき、超高速充電も可能になる点を挙げている。同社の蓄電池は従来の蓄電池と比較して8倍の寿命を持ち、出力は4倍高いとしている。
リブテラのベン・ジョーダット最高経営責任者(CEO)は「世界的に二酸化炭素(CO2)の排出削減が急務になっている。当社の目標は、電力網を強化しながら、自然エネルギーやEVへの移行を促進する大型の蓄電池を普及させることだ。当社の蓄電池はリサイクル可能で安全な材料を利用している」と述べている。
モビリティー分野の脱炭素化に向けた最近の動きとして、米国石油精製大手フィリップス66は6月1日、米国内で展開する約7,000カ所のガソリンスタンドなどにEV用の急速充電器を導入するため、米国スタートアップのフリーワイヤ・テクノロジーズと同意書を締結した(2022年6月8日記事参照)。同月7日には、ヒューストン港が港湾区域内のドレージ輸送のため、ゼロエミッションの電気トラックを導入すると発表した(2022年6月9日記事参照)。また、翌8日には、シェブロンの子会社シェブロンU.S.A.がカミンズ、ウォルマートとともに、再生可能な天然ガスエンジンの実証に取り組むことを発表している(2022年6月9日記事参照)。
(注)事業を開始した段階での資金調達。
(沖本憲司)
(米国)
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