交通省、フラウンホーファーの燃料電池研究プロジェクトに8,000万ユーロを助成

(ドイツ)

ミュンヘン発

2022年09月28日

ドイツのデジタル・交通省は913日、「国家アクションプラン 燃料電池生産(H2GO)」に対し、総額8,000万ユーロを助成すると発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。同プロジェクトでは、大型商用車向け燃料電池の生産効率化とコスト削減などを目指す。今回の助成は、連邦政府が2020年に「協同アクション・モビリティー」の枠組みで導入した(2020年11月25日記事参照)、10億ユーロ規模の「自動車産業未来ファンド」から行う。

プロジェクトには、ドイツ国内に76あるフラウンホーファー研究所の研究所・研究施設外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのうち、9州にまたがる19の研究所が参加。特に、大型トラック向け燃料電池の量産のための技術開発などを行う。生産技術、機械、設備など、バリューチェーン全体に関わる中小企業をプロジェクトに巻き込むことも目指す。プロジェクトの全体調整は、ドイツ東部のケムニッツ、ドレスデンなどに拠点を有するフラウンホーファー工作機械・成形技術研究所(IWU外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが担う。

今回協力する19のフラウンホーファー研究所はそれぞれの地域で、地元企業などと大型トラック用燃料電池量産の効率化やコスト削減に必要な新技術の研究・開発を行う。一方、各地で開発した新技術は「バーチャル参照工場(Virtuelle Referenzfabrik)」としてデジタル空間で共有され、開発した技術をそれぞれが活用できるようにする。「バーチャル参照工場」のコンセプトは、20225月に開催されたハノーバーメッセ(2022年7月8付地域・分析レポート参照)でフラウンホーファー研究所が発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)している。将来有望な技術である燃料電池の生産効率化・コスト削減を図るべく、デジタル上で、素材、技術、生産機械などを工程ごとに検証、最適な形をシミュレーションできる仕組みだ。

ドイツは気候保護法を2021年に改正し、2030年の交通・運輸部門における温室効果ガス(GHG)年間許容排出量を8,500万トンと定めた(2021年7月6日記事参照)。デジタル・交通省(2020年当時は交通・デジタルインフラ省)によると、交通・運輸部門の二酸化炭素(CO2)排出量の約3割がトラックなど重量物輸送によるものだという(2020年11月19日記事参照)。フラウンホーファー研究所によると、燃料電池搭載大型トラックは、技術的には、化石燃料による駆動とほぼ等しい航続距離、充填(じゅうてん)時間、積載量を実現できる。同研究所のライムント・ノイゲバウアー理事長は「特に大型トラック向けには、燃料電池量産のための低コストの基盤技術が必要」とコメントしている。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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