エコシステム躍進のために、「Deep techで世界を目指せ-第2弾-」を開催

(東京、フランス)

イノベーション促進課

2022年09月16日

日系ディープテック(注)スタートアップ(SU)の海外展開イベントである「Deep techで世界を目指せ-2-」セミナーが、Hello Tomorrow Japan外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますとジェトロの共催で831日、リアルとオンラインのハイブリッドで開催された。第1弾として62日に開催された「Deep techで世界を目指せ」(2022615日記事参照)に続き、欧州地域のコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)がSUへの投資に関して講演を行うとともに、日系ベンチャーキャピタル(VC)および日系SUによるパネルディスカッションなどが行われ、日系SUの海外展開やSUへの投資について、さまざまな観点から知識や経験が共有された。

写真 会場の様子(ジェトロ撮影)

会場の様子(ジェトロ撮影)

欧州地域のCVCから見る日本のスタートアップ・エコシステムへの期待

基調講演では、欧州エアバス傘下のVCである米国エアバス・ベンチャーズ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのマティウ・レッペリン氏とトルコ大手建設メーカーGulermakVCを担うシブミ・インターナショナル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのニコラス・ビロッティ氏による講演が行われた。レッペリン氏は、日本のエコシステムに関心がある理由について、「日本は国内市場が大きく、テクノロジーのハブとして存在してきており、また、長期的なパートナーシップの文化が根付いているなど、重要な要素が日本のエコシステムの中にそろっている」と指摘し、「投資を考える上で日本は避けることはできない」と語った。また、ビロッティ氏は、SUに求めるものとして、「課題に対する解決策を持ち、全体として投資する価値がなければならない」と話す。その上で、「日本のSUやエコシステムプレーヤーと話したい」と意気込みを語り、日本の技術に投資することへの期待を示した。

スタートアップ・投資家・大企業が協同して世界を目指す

日系VCおよび日系SUによるパネルディスカッションが行われ、VCSU双方の観点から知見が共有された。日系VCからは、DG Daiwa Ventures外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの金森岳史氏と眞田雄太氏、Beyond Next Ventures外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの橋爪克弥氏が登壇した。両社からは、SUが海外展開を行うべきタイミングについて、魅力的な技術には競合が次々に入ってくるものであり、技術が陳腐化する前に積極的に海外に出ていくことの重要性が述べられた。また、SUへの投資を検討するにあたっては、世の中にある課題をSUが本質的に解決できるか否か、事業が社会的に大きなインパクトを与えるものであるか否かという社会課題に与える影響や、また、世の中をより良いものにするという事業家自身の熱意などが投資のポイントとなると指摘する。

また、日系SUからはIdein外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの中村晃一氏、Fairy Devices外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの藤野真人氏が登壇した。両氏は、SUとのオープン・イノベーションに成功している大企業などに共通する特徴について、外部技術の発掘だけでなく、社内での調整や説得を事業部に丸投げせず最後まで行い切る真剣さ・粘り強さを持っている点を挙げる。また、両氏は、ディープテックにおいて非常に重要となる知的財産の観点にも言及し、共同研究開発をSUと対等に行い、それぞれが持つ知的財産の線引きを適切に行う姿勢を持つ大企業との間には良い関係が持続すると述べた。SUとの協業連携を模索する参加者にとっては、SUからの生の声に得難いものを感じたことだろう。

写真 日系VC・日系SUによるパネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

日系VC・日系SUによるパネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

海外展開のチャンスは至る所に、Hello Tomorrow Global Challenge

ディープテックの研究や起業などを促進する機関であるHello Tomorrow外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(フランス)のロイス・パタン氏から、ディープテックを発展させるための同機関の取り組みが紹介された。同機関では現在、20233月にフランスで開催されるコンテスト「Hello Tomorrow Global Summit外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」への予選であるGlobal Challenge外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通して初期段階の有望なSUを求めており、ファイナリストとして選定されたSUにはGlobal Summitでピッチを行う機会が与えられる。Global Summitにはさまざまな投資家、アクセラレータ、ディープテック創業者や専門家などが集まるため、サミットへの参加はSUにとって海外でのつながりを作る有益な機会となる。

Global Challengeは、2022923日まで参加者を募集している。海外展開のチャンスをつかみたいスタートアップの方は、Global ChallengeHPから参加可能。

(注)ディープテックとは、大学や研究機関、企業などで研究開発された技術を基に、世の中の生活スタイルを大きく変えたり、社会の大きな課題を解決したりするテクノロジーのことを指す。

(山崎雄介)

(東京、フランス)

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