スズキ、グジャラート州でインド進出40周年記念式典を開催

(インド)

アーメダバード発

2022年09月01日

スズキのインド子会社マルチ・スズキは828日、西部グジャラート(GJ)州都ガンディナガールで、スズキのインド進出40周年記念式典を開催、マルチ・スズキ関係者や日本・インド両政府関係者など約2,000人が参加した。来賓としてナレンドラ・モディ首相やブペンドラ・パテルGJ州首相、鈴木哲・駐インド大使らが列席。スズキ本社からは鈴木修相談役、鈴木俊宏社長が参列。また、岸田文雄首相がビデオメッセージを寄せた。

写真 スズキ40周年式典でのモディ首相のあいさつ(ジェトロ撮影)

スズキ40周年式典でのモディ首相のあいさつ(ジェトロ撮影)

記念式典では、インド四輪生産子会社スズキ・モーター・グジャラートがGJ州ハンサルプールに建設予定のバッテリー式電気自動車(BEV)向けの車載用電池工場、マルチ・スズキがハリヤナ州カルコダに建設を予定している新工場の定礎式も併せて行われた。カルゴダの新工場予定地からは、ハリヤナ州のマノハル・ラル・カッタール首相がオンラインで祝辞を述べた。BEV向け車載用電池工場は2026年稼働予定、投資額は約730億ルピー(約1,241億円、1ルピー=約1.7円)となるもよう。カルコダ四輪新工場は2025年の稼働を予定しており、投資額は約1,100億ルピー、初年度の生産能力は25万台を見込んでいる。

式典で鈴木社長は、デリーにスズキ100%出資のスズキ・RDセンター・インディア・プライベート・リミテッド(SRDI)を設立したことも発表した。スズキはSRDIの設立を通じて、日本とインドの開発部門を効率的に連携させ、インドの豊富な技術系人材とともに技術開発を行い、スズキの競争力強化を支える体制を構築するとしている。

モディ首相は主賓あいさつで「13年前にスズキをGJ州に誘致した当初、州が自信を持ってガバナンスの優良なモデルを示したこと」や「GJ州にミニ・ジャパンを作るという決意があったこと」を思い起こし、「GJ州はスズキとの約束を守り、同様にスズキもGJ州の願いを威厳を持って守ってくれた」と述べ、「GJ州と日本の間には外交の次元をはるかに超えた関係がある」と強調した。

また、インド政府は英国での2021年の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、2070年までにはカーボンニュートラルを達成する目標を掲げており(2021年11月5日記事参照)、電気自動車(EV)普及のため消費者向けインセンティブや、生産供給強化に向けたPLI政策の導入、充電インフラ整備などさまざまな取り組みを行っていると述べた。その上で、マルチ・スズキがバイオ燃料やエタノール混合、ハイブリッドEVなどにも取り組んでいることに謝意を表明するとともに、スズキが圧縮バイオメタンガスに関するプロジェクトに着手することについても提案した。

スズキは20223月の岸田首相のインド訪問に合わせ、カーボンニュートラルの実現に向け、BEVおよびBEV向け車載用電池の現地生産に約1,500億円を投資することに関し、GJ州と覚書を締結している(2022年3月22日記事参照)。

(古川毅彦)

(インド)

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