国境の橋再開で2国間陸上輸送が回復

(ベネズエラ、コロンビア)

ボゴタ発

2022年09月28日

閉鎖されていたコロンビアとベネズエラの国境に架かる主要4カ所の橋のうち1カ所で9月27日、往来が正式に再開された。

2015年8月以降、国境間のトラック輸送は1カ所に制限され、2019年2月以降は完全に国境が閉鎖されていた。他の橋についても順次、再開が予定されている。国交断絶状態が続いている両国は、2022年8月にコロンビアで左派のペトロ政権が発足して以降、大使を相互に派遣するなど着実に関係を回復している(2022年9月1日記事参照)。また、貿易の再開にも期待が高まっている。

コロンビアのククタとベネズエラのサン・アントニオ・デ・タチラの間に架かる国境の橋のシモン・ボリバル橋で行われた式典で、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は「今日は地域、国、南アメリカ、米州大陸にとり歴史的な日だ」「グローバリゼーションとは第1に隣国との関係のことだ」と演説したほか、ガイアナからチリまでの南米地域を家に例え、過去にとられた両国間の国境閉鎖措置は「間違いだった」と指摘した。

2国間貿易は2021年に約4億ドルだったが、コロンビアのヘルマン・ウマーニャ商工観光相は2022年に10億~12億ドル、2023年には18億~20億ドルまで回復すると見込んでいる。

ベネズエラに所在するベネズエラ・コロンビア商工会議所(CAVECOL)のルイス・アルベルト・ルシアン会長は、既に両国企業間で2022年末までに8億7,625万ドルの取引が計画されているとする一方、通関コストと時間を削減する制度改善や、国際輸送に関する2国間協定の必要性を指摘している。また、コロンビアの企業団体は、2国間貿易の正常な回復には、国際的に金融取引に制限が伴うベネズエラ企業との決済方法や、ベネズエラからの輸入に関する動植物検疫体制の確立などの課題も指摘している。

(豊田哲也、マガリ・ヨネクラ)

(ベネズエラ、コロンビア)

ビジネス短信 c47c0b2bd7112e98