米上院、代替フロンを規制するモントリオール議定書「キガリ改正」を可決

(米国、中国)

ニューヨーク発

2022年09月26日

米国連邦議会上院は9月21日、国際条約であるモントリオール議定書「キガリ改正」の批准に関し、賛成69反対27で可決・承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。米国では国際条約を批准する際、上院で出席議員の3分の2の賛成を得る必要があり、ジョー・バイデン大統領は2021年11月にキガリ改正を上院に送付し、批准の承認を求めていた。米国務省によると、米国は138番目の批准となる。

2016年に制定されたモントリオール議定書に基づくキガリ改正は、オゾン層破壊や地球温暖化効果があるとされるハイドロフルオロカーボン(HFC、いわゆる代替フロン)の段階的な使用削減を義務付けている。先進国と発展途上国によって削減量は異なるが、先進国では2011年から2013年の平均数量などを基準値にして、2036年までに85%削減しなければならない。米国環境保護庁(EPA)は2021年9月にキガリ改正の内容に沿って、今後15年間でHFCを85%削減する規則を発表していたが(2021年9月27日記事参照)、キガリ改正への批准は行われていなかった。

バイデン大統領は上院での批准の可決・承認を受けて同日、「この批准は、製造業の雇用を増加させ、米国の競争力を強化し、気候変動危機と闘うための世界的な取り組みを前進させる」と述べ、ロバート・メネンデス上院外交委員長(民主党、ニュージャージー)ら関係者に対して、批准を実現できたことに感謝したいとする声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

米国商工会議所、米国化学協会、全米製造業協会(NAM)、家電業協会などの業界団体は上院に対して批准を支持する書簡を送るなど、業界団体もキガリ改正批准に好意的とみられている(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版9月21日)。一方で、共和党の一部議員の間では、中国が米国と異なるルールに従っている中、米国がわざわざそれより厳しいルールに批准する必要はないと批判の声も上がっている(「ワシントン・ポスト」紙電子版9月21日)。中国はキガリ改正に批准しているが、発展途上国グループ扱いで、2045年までにHFCを80%削減すればよいこととされており、先進国よりも緩やかな削減目標となっている。

(宮野慶太)

(米国、中国)

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