英国沖の洋上風力発電プロジェクト「ホーンシー2」が稼働

(英国、デンマーク)

ロンドン発

2022年09月07日

デンマークのエネルギー企業オーステッドは831日、英国のヨークシャー沖に位置する洋上風力発電所プロジェクト「ホーンシー2」の稼働開始を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同プロジェクトは165基の風力タービンで構成され、容量は1.3ギガワット(GW)。隣接するエリアには、既に容量1.2GW「ホーンシー1」プロジェクト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが運開しており、双方合わせて約250万世帯相当の電力を供給する。

同社はこのプロジェクトで英国の約200社のサプライヤーと契約を結び、45億ポンド(約7,335億円、1ポンド=約163円)を投資してきたとして、英国での大規模で持続可能な競争力あるサプライチェーン構築に重要な役割を果たしたと強調。今後10年間でさらに86億ポンドを投資する予定とした。

今回の発表に対し、クワシ・クワルテング・ビジネス・エネルギー・産業戦略(BEIS)相は自身のツイッターで、英国の産業、雇用、エネルギー安全保障を大きく後押しすると評価した。業界団体のエナジーUKやリニューアブルUKもツイッターで歓迎した。

今回の「ホーンシー2」の稼働について、オーステッドは2030年までに50GWの洋上風力発電を稼働させるという英国政府の目標や、2030年までに世界で30GWの洋上風力発電を設置するという同社の目標達成に貢献するとしている。

なお、77日に英国政府が結果を発表した再生可能エネルギー支援スキームの差額決済契約(Contracts for DifferenceCfD)制度(注)による第4回オークションでは、容量約2.9GWの「ホーンシー3」プロジェクトが約定している(2022712日記事参照)。

(注)発電事業者の再生可能エネルギーへの投資リスクを減らすため、運転開始から15年間、対象となる電源の固定価格(ストライクプライス)と市場価格の間の変動する差額を政府が補填(ほてん)する制度。事業者はオークションで、技術ごとに自社の固定価格と設備容量を提示し競う。詳細は調査レポート「英国の気候変動対策と産業・企業の対応」21ページ以降を参照。

(菅野真)

(英国、デンマーク)

ビジネス短信 b927d135995a0be2