カザフスタン政府系ファンド、ズベルバンク子会社を買収

(カザフスタン、ロシア)

タシケント発

2022年09月08日

カザフスタン政府系ファンドのバイテレク・ホールディングは92日、ロシア最大の国有銀行ズベルバンクのカザフスタン子会社の買収を完了したと発表した(バイテレク・ホールディング・ウェブサイト、ズベルバンク・ウェブサイト92日)。

ズベルバンク・カザフスタンは、2007年に銀行ライセンスを取得。2021年時点で、カザフスタンで業界2位の資産規模を誇っていた。20223月から始まった西側諸国による対ロ制裁により顧客離れが加速し、さらに4月に米国政府の追加制裁でズベルバンクが特別指定国民(SDN)に指定され、事業継続が困難になっていた(2022年4月7日記事4月22日記事参照)。

買収には、カザフスタン、中国、トルコ、アラブ首長国連邦(UAE)などの投資家が関心を示したといわれるが(カピタル.KZ 512日)、制裁発動日に至っても売却先が決まらなかった。米国財務省外国資産管理局(OFAC)は、ズベルバンク・カザフスタンの資産売却に関して制裁対象外とする一般免許を5月に発行し、1011日までその期限を延長していた(インターファクス通信519日、712日)。最終的にバイテレク・ホールディングが売買交渉を進め、823日に買収契約を結んだと発表した(バイテレク・ホールディング・ウェブサイト823日)。

「カピタル.KZ」(819日)によると、ズベルバンク・カザフスタンは、「ダラ(カザフ語で「ステップ」「草原」の意)バンク」に改名されるもようだ。

なお、同様の制裁を受けていた、ロシア大手民間銀行アルファバンクのカザフスタン子会社は、地場の民間銀行であるセンタークレジットバンクが5月に買収し、銀行名を「エコセンターバンク」に改名した。822日には、両行の合併・再編が金融当局に承認された(金融市場規制・発展庁発表92日)。

(増島繁延)

(カザフスタン、ロシア)

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