2022年第2四半期はプラス成長が継続するも減速傾向に

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年09月28日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は9月20日、2022年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率は前年同期比6.9%、季節調整済み前期比1.0%と発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した(添付資料図参照)。前年同期比で6四半期連続、前期比で4四半期連続のプラス成長だったものの、減速傾向がみられる。

産業分野別に前年同期比でみると、16分野のうち、干ばつの影響を受けた農業・牧畜・狩猟・林業を除く15分野がプラスとなった(添付資料表参照)。特にホテル・レストラン(53.9%増)、漁業(24.1%増)、鉱業・採石(15.5%増)の成長が目立った。需要項目別でも全ての項目でプラスとなり、特に総固定資本形成(18.8%増)の伸びが顕著だった。

しかし7月以降は、経済の減速や落ち込みが他の生産関連統計で既に確認されている。INDECが発表した7月の工業生産指数(IPI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、季節調整済みで前月比マイナス1.2%だった。また、工業生産・開発庁の生産研究センター(CEP)は、工業部門におけるエネルギー消費量をベースに同センターが算出している工業生産先行指数が、8月は前年同月比でプラス4.8%となったが、前月比ではマイナス1.6%だったと伝えてPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)いる。エネルギー消費量が落ち込んだ分野は、製紙、たばこ、石油精製、ゴム・プラスチック、化学品などだ。

さらに、インフレ率は、2022年末には100%を超える可能性が高く(2022年9月21日記事参照)、外貨不足による資本取引規制の強化(2022年9月14日記事参照)など経済の先行きについて不安材料が多く存在する。中央銀行が民間エコノミストらを対象に毎月実施している主要経済指標の予測値に関するアンケート調査(REM)の最新調査結果PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2022年8月版)によると、2022年のGDP成長率は前回調査から0.2ポイント増の3.6%だが、2023年のGDP成長率は1.0%と低成長を予測している。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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