6月末に導入の厳しい輸入代金決済規制を年末まで延長、中銀通達A7601

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年09月14日

アルゼンチン中央銀行は9月8日、中銀通達A7601PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公布し、2022年6月27日付の中銀通達A7532によって9月30日を期限に導入した輸入代金決済規制の強化(2022年6月30日記事参照)を12月31日まで延長すると発表した。

アルゼンチンでは2022年3月以降、輸入代金の支払いは輸入通関後を原則とし、2020年と2021年の輸入実績額に応じて支払い可能時期に制限を設けた。一定の枠を超えると、輸入代金の支払いは通関から180暦日後にしかできなくなる。6月27日付の中銀通達A7532は、通関後の輸入代金の支払い可能枠を縮小し、多くの輸入代金の支払い時期を通関から180暦日後に繰り延べることを主目的としていた。

実際、輸入代金の支払いが通関から180暦日後となる事例が多発し、ジェトロにも、事実確認の問い合わせが多数寄せられた。中銀通達A7532の規制が2022年末まで延長されることで、製造業、輸入販売業ともに苦しい状況が続くことになる。

こうした規制強化が続く背景には、減り続ける外貨準備高の問題がある。2022年4月1日時点でグロスで約430億ドルあった外貨準備高は、9月7日時点で369億ドルまで減少した。債務再編の条件として2022年3月にIMFと合意した経済政策では、外貨準備高を年内に58億ドル積み増す目標が設定されたが、現在、外貨準備高は減少する一方となっていることから、厳しい資本取引規制が当面継続されることが見込まれる。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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