英国、ウクライナからの輸入鋼に対するAD措置適用を停止

(英国、ウクライナ、ロシア、中国)

ロンドン発

2022年09月05日

英国政府は8月31日、ウクライナから輸入する熱間圧延平鋼、コイル鋼に対するアンチダンピング(AD)措置の9カ月間の適用停止を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。停止は831日から導入し、延長の可能性もある。

同措置の停止について、ロシアによるウクライナ侵攻を踏まえて貿易救済庁(TRA)が624日に調査を実施することを発表、711日まで関係者からの意見募集を行っていた(2022年6月29日記事参照)。TRAは意見募集などの結果も踏まえ、適用停止が英国の生産者に悪影響を与える証拠はないと結論付け、適用停止について国際通商相に最終提案を行っていた。

また、政府は8月30日、TRAの提案に基づき、中国、ロシアから輸入する冷間圧延平鋼に対するAD措置の継続に合意外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。英国の経済的利益に資するとして、202685日まで措置を延長する。英国で使用する冷間圧延平鋼のうち45割が国内製造で、AD措置の撤廃がそうした国内企業に影響を与えると結論付けた。この措置の継続についても331日にTRAが提案を行っており、意見募集を行っていた(2022年4月8日記事参照)。

(山田恭之)

(英国、ウクライナ、ロシア、中国)

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