鉄鋼への関税割り当て、AD措置などのレビュー実施を発表
(英国、ロシア、ベラルーシ、中国)
ロンドン発
2022年04月08日
英国貿易救済庁(TRA)は4月6日、ロシアとベラルーシからの鋼(スチール)に対する関税割り当てについてレビューを開始することを発表した。英国がスチールなどロシアとベラルーシからの一部製品の輸入に対して制裁を科していることを踏まえ、両国への割り当て分を再分配し、国内産業への定常的なスチール供給を支援することが狙い。TRAによると、今回のレビューで影響を受ける可能性があるのは、品目カテゴリー1(非合金、またはその他の合金製の熱間圧延板、ストリップ)と品目カテゴリー13(鉄筋)としている。品目カテゴリー1は耐久消費財や建設、製管、下流のスチール製品生産、品目カテゴリー13は建設、自動車産業、エンジニアリング、大型家電製品に用いられるとしている。
TRAは5日にも、EUから継承した中国からの熱間圧延平鋼、コイル鋼の輸入に対して行っているアンチダンピング(AD)措置と対抗措置について移行レビューを開始すると発表。レビューを通じ、EUから離脱した現在も英国のニーズに適した措置となっているかを確認する。
3月31日には中国、ロシアから輸入する冷間圧延平鋼に対するAD措置の継続を提案。同措置について移行レビューを行っていた。TRAによると、英国で使用する冷間圧延平鋼のうち、4割~5割が国内製造で、残りが輸入となっている。原材料費、エネルギー価格の高騰や、新型コロナウイルス感染拡大による影響などにより、現時点で業界が脆弱(ぜいじゃく)であることを踏まえ、AD措置を2026年8月5日まで継続すべきとした。今後30日間、同提案に対する意見募集を実施した後に最終提案を作成、国際通商相が最終判断を行う。
(注)対象品目は英国政府サイト参照(3月31日発表分、4月5日発表分アンチダンピング措置
、4月5日発表分対抗措置
、4月6日発表分
)
(山田恭之)
(英国、ロシア、ベラルーシ、中国)
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