米IBMがGIFTシティーにソフトウエアラボ開設

(インド)

アーメダバード発

2022年09月29日

アイー・ビー・エム(IBM)は915日、インド初の国際金融特区のGIFTシティー(2021年4月1日付2022年7月11日付地域・分析レポート参照)内の「フィンテック・ワン・ビルディング(Fintech One)」に、「IBMインディア・ソフトウエア・ラボ(ISL)」を設立したと発表した。同ラボは、次世代ソフトウエアポートフォリオやクラウド製品のデザイン、開発、提供を行い、デジタルイノベーションと製品開発を加速することで、IBMのテクノロジー事業に幅広く貢献、ひいてはインドや世界のビジネスのデジタル変革を推進するという。

同社プレス・リリースによると、このラボは「ハイブリッドクラウドと人工知能(AI)の技術を活用し、次世代ソリューションを提供する」ものだ。セキュリティーや、持続可能なソフトウエア、データ&AI、オートメーションなどの諸分野で製品エンジニアリングや、デザイン、新製品開発、ソリューション開発などに注力し、地域のテクノロジーエコシステムと連携してグローバル産業向けのさまざまなソリューションを共創していくという。また「デジタルミッションを加速させているグジャラート(GJ)州の戦略的ビジョン(2022年9月21日記事参照)を補完し、GIFTシティーのグローバルな金融・ITサービスのハブとしての評価を確固たるものにする」ことにもつながるだろうと述べている(「IBMプレス・リリース」915日付)。

同ラボの開所式で、ブペンドラ・パテルGJ州首相は「GJ州はデジタルトランスフォーメーション(DX)で優れた目標を設定しており、インドの新たな機能モデルとして、モディ首相の掲げる「デジタル・インディア・ミッション外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を支援している。GJ州は強固なICT(情報通信技術)インフラを有しており、IBMラボはGJ州のデジタル経済を推進する上で重要な役割を果たすだろう」と述べ、「GIFTシティーにグローバルリーダーのIBMラボが誘致できたことは、GJ州のIT/ITeS政策2022年7月20日付地域・分析レポート参照)が有効に機能した証拠だ」とした。

同ラボの進出に伴い、IT開発で世界先端のベストプラクティスが導入されることで、GJ州の優秀な技能人材プール構築がさらに加速する一方、高度なIT関連職の雇用創出にも貢献することになる見込みだ。結果として、同州の産業競争力が高まり、世界的なイノベーションハブとしての地位を確立していくことが期待されている。

(古川毅彦)

(インド)

ビジネス短信 7a4f43767016cf70