米テキサス州への石油・ガス生産者納税額、2022年度は過去最高の100億ドル超に

(米国)

ヒューストン発

2022年09月09日

米国テキサス石油・ガス協会(TXOG)は92日、テキサス州の石油・ガス生産者が2022年度に同州に支払った石油・ガス生産税が過去最高額となり、100億ドルを突破したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

TXOGによると、同州の石油生産者は2022年度に、前年度の84%増となる636,000万ドル、天然ガス生産者も2.8倍の447,000万ドルの生産税を納め、いずれも過去最高額を記録した。税率は石油生産税が産出額の4.6%、ガス生産税が7.7%で、資源価格が高止まりすれば税額が膨らむ構造になっている。2022年度の石油・ガス生産税の合計1083,000万ドルについて、TXOGは驚異的としており、これまで最高だった2014年度の合計額を88%上回っている。

TXOGのトッド・ステイプルズ会長は「石油・天然ガス会社が、研究開発、低排出技術、テキサス州民の雇用拡大に資金を提供していることは、喜ばしいことだ。われわれは、米国のエネルギーリーダーシップを発揮するよう州および連邦レベルで政策を継続し、基本的なエネルギー需要を外国に依存することがないよう、石油・ガスの生産の米国内での生産を確保していく必要がある」と述べている。

米国労働省は810日、7月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比8.5%上昇したと発表した(2022年8月12日記事参照)。中でも、ガソリン価格は44.0%上昇(6月:59.9%上昇)と伸びが鈍化したものの、依然として、価格下落への懸念から増産に慎重な石油・ガス企業に対する政権や社会の視線は厳しいものとなっている。

こうした事態を受け、ジョー・バイデン大統領は6月に石油大手7社に対して石油・ガス増産を促す書簡を送付する一方(2022年6月16日記事参照)、石油会社が反論するといった事態が起きている(2022年6月23日記事参照)。今回、納税実績を公開した背景には、石油・ガス業界による米国経済への貢献を社会全体に知らしめる意味合いがあるとみられる。

(沖本憲司)

(米国)

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