車載電池のCATL、中国移動通信とカーボンニュートラル分野の提携発表

(中国)

広州発

2022年09月12日

中国の車載電池最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は9月1日、通信最大手の中国移動通信集団(チャイナモバイル)とカーボンニュートラル分野で戦略的枠組み協定を結んだと発表した。

CATLの発表によると、両社はカーボンニュートラルデータセンターの建設や、分散型エネルギーとスマートグリッドの融合、スマートリチウム電池と運用プラットフォームの開発、仮想発電所(VPP、注)の建設と運用などの分野で協力を行う。

中国では、2030年までのカーボンピークアウトと、2060年までのカーボンニュートラルの実現を目標に掲げている(2021年10月28日記事参照)。自動車業界でも、これまでに吉利集団がカーボンニュートラルに向けたロードマップを発表(2022年7月6日記事参照)。BYDもガソリン車の生産停止を発表する(2022年4月12日記事参照)など、具体的な取り組みが開始されている。

ジェトロのヒアリングに対し、現地の環境コンサルティング会社は「セットメーカーのカーボンニュートラルへの取り組みが進むにつれて、セットメーカーがサプライヤーに対しても達成に向けた取り組みを求めるようになるだろう。中国政府が設定した達成期限より早く、またより厳しい基準が求められる可能性もある」と指摘。進出日系企業も自社の炭素排出の管理や人材育成などのカーボンニュートラルに向けて早期に準備を行う必要があるとの見解を示した。

(注)仮想発電所とは、太陽光発電や蓄電池、電気自動車(EV)や住宅設備など、分散している小規模な発電設備をまとめて管理し、あたかも1つの発電所のようにコントロール・利用する仕組みのこと。

(田中琳大郎)

(中国)

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