吉利汽車、2045年のカーボンニュートラルを目指す

(中国)

上海発

2022年07月06日

中国の自動車大手の吉利汽車などを傘下に持つ吉利集団は、6月27日に公表した2021年の持続可能発展報告書の中で、2045年までにサプライチェーン全体でのカーボンニュートラルを目指すと発表した。報告書によると、吉利集団の2021年の温室効果ガス排出量は、二酸化炭素(CO2)換算で約9,634万トンとなっている。

主な取り組みは以下のとおり。

  • 吉利汽車は2025年までに自動車1台の全ライフサイクルにおける炭素排出量を2020年から25%以上削減し、2045年までにカーボンニュートラルを実現する。
  • 2030年にグループ企業であるボルボの生産する自動車を100%純電動車とし、2040年にはサプライチェーンも含めた気候中立(注)を実現する。
  • 高級EV(電気自動車)のポールスターは2030年に気候中立の製品を発売し、2040年に気候中立を実現する。

自動車の車両の全ライフサイクルに関しては、原材料の選択と設計、生産製造、包装物流と資源回収など全てのバリューチェーンに持続可能という理念を導入し、自動車産業のグリーン変革実現に力を入れるとしている。例えば、ボルボはEVのC40リチャージモデルから動物皮革を完全に不使用とする計画で、高級EVのジーカー001の車体にはリサイクル鋼板材料を15%、リサイクルアルミニウム合金材料を25%採用する。

こうしたカーボンニュートラルに加え、吉利集団は2022年1月6日、国連グローバル・コンパクト(UNGC)に正式に加盟し、人権、労働基準、環境、反腐敗分野を包括するグローバル契約10原則を履行し、持続可能な発展目標(SDGs)の17の目標実現に協力することを約束した。

(注)気候中立とは、二酸化炭素だけでなく、メタンや一酸化窒素など、全ての温室効果ガスを対象として実質(ネット)ゼロを実現すること。

(高橋大輔)

(中国)

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