カナダ・オンタリオ州政府、新型コロナ・オミクロン株対応2価ワクチン接種開始

(カナダ)

トロント発

2022年09月14日

カナダ・オンタリオ州政府は9月12日、カナダ保健省と国家予防接種諮問委員会(NACI、注)の指針に基づいて、同日から新型コロナウイルス・オミクロン株対応2価ワクチン接種を開始すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。9月25日まで70歳以上や長期介護施設などの居住者、18歳以上の先住民とその世帯員、12歳以上の中度~重度の免疫不全者、18歳以上の妊娠中の人、18歳以上の医療従事者への接種を優先的に行い、26日以降は18歳以上全員への接種を開始する。接種方法については、「これまでの接種回数にかかわらず、前回接種から推奨期間の6カ月以上経過した場合に接種可能」と発表したが、その後、「推奨期間の6カ月、もしくは前回の接種から最低84日間の間隔を空ければ、接種可能」とツイッターで追加発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを行った。

カナダでは、モデルナが8月末、保健省による薬事承認を条件に新型コロナ・オミクロン株対応2価ワクチン1,200万回分をカナダ政府へ供給することを発表した(2022年8月25日記事参照)。さらに9月に入り、保健省が18歳以上を対象とした同ワクチンの使用を承認した(2022年9月2日記事参照)ことから、各州でのワクチン供給も間近とみられていた。

オンタリオ州公衆衛生局の発表によると、同州のワクチン3回目接種完了率は8月27日時点で50.8%にとどまり、7月に始まった4回目接種(2022年7月19日記事参照)の完了率も同日時点で14.2%にすぎない。

こうした状況について、トロント市公衆衛生局副医務官のビニタ・ドゥベイ博士は、過去2年間の新型コロナ禍による疲労とワクチンへのためらいが接種を阻んでいる可能性があるとコメントした。ただし、秋から冬にかけては、新型コロナ感染拡大を抑えるための公衆衛生対策がほとんどないことから、大人と子供の両方のワクチン接種が特に重要になるとして、「対象となるのであれば、5歳以上は誰でも秋に追加接種を行うべきだ」と述べている。(CBCニュース9月12日)。

(注)NACIは、小児科や感染症、社会科学、公衆衛生などの分野の専門家で構成され、連邦政府に新しく承認されたワクチンの使用に関する指針を提供している。

(飯田洋子)

(カナダ)

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