カナダ・オンタリオ州、18歳以上を対象に新型コロナワクチン4回目接種を実施

(カナダ)

トロント発

2022年07月19日

新型コロナ第7波に入ったカナダ・オンタリオ州で(2022年7月8日記事参照)、州政府は713日、18歳以上を対象として新型コロナウイルスワクチンの4回目接種を実施することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、翌14日から予約受け付けを開始した。4回目接種は、3回目接種から5カ月経過後に可能となる。

これまで4回目接種の対象者は、60歳以上の者や、18歳以上の先住民およびその世帯員に限定されていた。

オンタリオ州政府の発表によれば、2022711日時点で同州では3,300万回以上の新型コロナワクチンが投与され、12歳以上のオンタリオ州民の93%以上が少なくとも1回、91%以上が2回を接種しているものの、3回目の接種完了者は57%にとどまっている。13日に行われた4回目接種対象者の拡大発表に先立ち、オンタリオ州保健局の最高医療責任者であるキエラン・ムーア博士は「3回目接種未完了者のうち100万人は50歳以上で、年齢が重症化や入院に至る大きなリスク要因となることとが分かっている」と述べ、該当者へ7月中に予防接種を受けることを検討してほしいと呼び掛けていた(「グローバル・ニュース」77日)。

4回目追加接種について、州政府は「1859歳では、3回目接種から6カ月以上経過しても強力な予防効果が持続する場合がほとんどだが、4回目接種対象者を拡大することで、個人の状況に応じて十分な情報を得た上で(接種の)決断ができるようになる」と説明した。一方で、「秋期に新しい2価の新型コロナウイルスワクチン(注)がカナダ保健省から承認される見込みで、オミクロン変異体に対してより的を絞った防御を提供できる可能性がある」として、4回目接種を現時点で受けるべきか、医療提供者に相談することを推奨した。

記者会見では、ムーア博士は「4回目接種を行ってもよいが、それは『すべき』というものではなく、個人の状況によっては『してもよい』という意味だ」とコメントしている(「グローブ・アンド・メール」紙713日)。

(注)現行ワクチンとオミクロン株対応のワクチン候補を合わせたワクチン。

(飯田洋子)

(カナダ)

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