トカエフ大統領、大統領選の前倒しと任期7年を提案

(カザフスタン)

タシケント発

2022年09月07日

カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は91日、国民に向けて年次教書演説を行い、2022年秋に前倒しで大統領選挙を行う意向を表明した(大統領府ウェブサイト91日)。

トカエフ大統領は2019年の大統領選挙で当選した(2019年6月12日記事参照)。任期は2024年まで。早期に選挙を実施する理由について、大統領は現在進めている政治・経済・社会の抜本的構造改革に民意を問うとしている。また、任期を現行の5年から7年に延長し、再選禁止の1期に制限することを提案した。

さらに、同大統領は、6月に実施された憲法改正に関する国民投票(2022年6月10日記事参照)で支持された小選挙区比例代表並立制による下院・地方議員選挙を大統領選後の2023年上半期に実施すると言及した。主要な政治機関(大統領、議会、政府)をリセットし、自ら掲げる「強い大統領、権威ある議会、責任のある政府」の実現と経済社会改革に本腰を入れる。

今回の大統領の意向について、応用民族政治学研究所所長のタルガト・カリエフ氏は「政策の実現のためには45年の任期では十分ではない」と指摘し、7年の任期にすることで改革に専念できると評価した(インフォームビューロー91日)。カザフスタン・リスクス・アセスメントグループ代表のドシム・サトパエフ氏は、2024年の任期満了までの社会情勢・地政学リスクによる大統領への支持低下や、対抗勢力による巻き返しが始まる前に政権基盤を盤石にしたいという狙いがあると分析している(米国系現地メディア「アザティク」91日)。

(増島繁延)

(カザフスタン)

ビジネス短信 47ccdca7fe17fe33