国民投票で憲法改正を承認、改革に向け大統領権限を縮小

(カザフスタン)

タシケント発

2022年06月10日

カザフスタンで6月5日、カシムジョマルト・トカエフ大統領が進める政治・経済・社会の抜本的改革に関わる憲法改正の是非を問う国民投票が実施され、賛成多数で改憲法案が承認された。

中央選挙管理委員会が発表した速報結果(6月6日現地午前8時時点)によると、投票率は68.06%で、うち賛成票77.18%、反対票18.66%、無効票は4.16%だった(中央選挙管理委員会ウェブサイト6月6日)。

今回承認された改憲案では、a.大統領権限の制限(任期は2期10年まで、任期中の政党所属禁止、大統領近親の公職・国営企業経営層での勤務禁止、大統領の上院議員任命枠の削減、地方行政長官の罷免権剥奪など)、b.複数政党制に担保された議会機能の強化(比例代表制を改め、小選挙区比例代表並立制による選挙の実施、議員に対するリコール制の導入、新党結成の条件緩和など)、c.憲法裁判所の復活、d.国民の権利保護など、現憲法の3分の1を占める33の条文に修正と追加が行われた。また、初代大統領のヌルスルタン・ナザルバエフ氏の恒久的地位に関する条項は削除された。

カザフスタンで憲法改正に伴う国民投票が実施されるのはこれで3回目だ。1回目と2回目の国民投票は1995年に行われ、ナザルバエフ大統領(当時)の任期延長と、現行の憲法が承認された。今回の憲法改正で、大統領一強の権威主義的体制から、国家権力を分散して議会や司法が機能する大統領制共和国への移行を図る。

首都のヌルスルタンでは、郊外の選挙会場でも投票に足を運ぶ市民が多くみられ、国民投票への関心の高さがうかがえた。

国民投票の結果を受け、トカエフ大統領は国民に向けて演説し、改正憲法に基づく法整備を進め、よりよい社会を目指し改革にまい進すると述べている(大統領府ウェブサイト6月6日)。

写真 投票会場の様子(ヌルスルタン近郊、ジェトロ撮影)

投票会場の様子(ヌルスルタン近郊、ジェトロ撮影)

写真 投票会場に足を運ぶ市民(ヌルスルタン近郊、ジェトロ撮影)

投票会場に足を運ぶ市民(ヌルスルタン近郊、ジェトロ撮影)

写真 投票会場の外に設置された国民投票参加を呼びかけるバナー(ヌルスルタン近郊、ジェトロ撮影)

投票会場の外に設置された国民投票参加を呼びかけるバナー(ヌルスルタン近郊、ジェトロ撮影)

(増島繁延)

(カザフスタン)

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