ジェトロ、ザンビア政治経済セミナー開催
(ザンビア、南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2022年09月02日
ジェトロは8月10日、南アフリカ共和国日本商工会議所と共催で「ザンビア政治経済セミナー」を開催した。ムレンガ・チポカ商業貿易産業相と水内龍太・駐ザンビア大使がヨハネスブルクを訪問し、集まった南ア進出日系企業に対して講演し、ザンビアへの投資を呼びかけた。
ザンビアは2020年から実質的なデフォルト(債務不履行)状態にある(2020年11月18日記事参照)。これについてチポカ大臣は、新型コロナウイルス感染拡大、ウクライナ問題により依然として多額の債務を抱えていることを認めつつも、7月に中国を中心とした公的債務者との債権者委員を開催し、着実に解決の道を進んでいるとした。ザンビアに対しては今後、IMF理事会が約140億ドルの財政支援を決定する予定となっている。また、チポカ大臣は国内経済にも言及。2022年第1四半期(1~3月)の実質GDPは2.4%とプラス成長になっているが、新型コロナウイルス感染拡大から徐々に回復しているとした。さらに、2021年に24%を超えたインフレ率については、最近は落ち着いている(6月に前年同月比9.7%、7月に9.9%)と述べたほか、為替も比較的安定しているという。
水内大使は今後の日本企業の投資先としてのポテンシャル産業として、鉱業やエネルギー、農業・食品加工業などを挙げた。特に、鉱業分野はザンビアのGDPの約10%を占める主要産業の1つで、政府は2030年までに銅の生産量を300万トンまで増産する予定だ。既にカナダの大手鉱業会社が13億5,000万ドルの投資を決定している(2022年5月20日記事参照)。
ザンビアは人口2,000万人弱で、35歳以下が37%を占める。公用語は英語で識字率は86.8%(2021年)。政府は進出企業に対して2022年から消費税を35%から30%に引き下げることを決定しており、主要産業を中心に外資系企業の投資を呼び込んでいく方針だ。
(堀内千浪)
(ザンビア、南アフリカ共和国)
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