2022年6~8月期の失業率は4.1%と、4期連続で改善
(香港)
香港発
2022年09月28日
香港特別行政区(以下、香港)政府統計処は9月19日、2022年6~8月期の失業率(季節調整済み、速報値)について、5~7月期から0.2ポイント改善の4.1%と発表した(添付資料図参照)。新型コロナウイルスの感染拡大第5波(注)の影響を大きく受けた同年2~4月期には5.4%まで上昇したが、その後4期連続で改善をみせた。
業種別にみると、ほぼ全ての主要業種で改善した。小売・宿泊・飲食業などの個人消費や観光に関連するセクターは、2022年5~7月期から0.3ポイント低下し6.2%となった。「その他の業種」を除き、改善幅が最大となったのは建築業で、5~7月期から0.5ポイント低下し、6.4%となった。
政府労働・福祉局の孫玉菡局長は「労働市場は、域内経済活動の回復とともに改善しており、本年度2回目の電子消費券の配布(2022年3月1日記事参照)も一部寄与した」と改善要因を分析した。今後の労働市場の見通しについては、「域内経済活動のパフォーマンスに伴い、短期的にはさらに改善に向かうだろう。電子商品券の配布は域内消費需要を下支えするが、昨今の金融引き締めによって消費がマイナスの影響を受ける可能性がある。また、新型コロナウイルスの今後の感染動向次第で、経済活動や労働市場に影響が及ぶことも懸念される」との見方を示した。
(注)香港では一般的に、2020年1月の新型コロナウイルス感染拡大開始を「第1波」、同年3月中旬以降の輸入症例拡大を「第2波」、同年7月中旬以降と11月下旬、2021年12月末以降の域内感染拡大をそれぞれ「第3波」「第4波」「第5波」と呼んでいる。
(松浦広子)
(香港)
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