フランス政府、水素関連プロジェクト10件に21億ユーロを投入

(フランス)

パリ発

2022年09月30日

フランスのエリザベット・ボルヌ首相は9月28日、フランス北部コンピエーニュ市にある自動車部品大手プラスチック・オムニウムの研究開発センターを訪問し演説した。水素分野における欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI、注1)に、フランスから10件のプロジェクトPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が選定されたことを明らかにした(演説内容)。欧州委員会は2022年7月15日、15のEU加盟国が共同申請した41件の水素分野の研究開発および実用化のためのプロジェクトを、IPCEIとして承認していた(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます2022年7月19日記事参照)。

選定された10件のプロジェクトには、以下などが含まれる。

  • ボルヌ首相が訪問したプラスチック・オムニウムの、車両用水素貯蔵装置の開発・製造プロジェクト
  • グリーン水素製造マクフィーが東部ベルフォール市に予定する、アルカリ水電解装置の大型製造施設建設プロジェクト
  • 自動車部品ミシュランとフォレシアの合弁会社シンビアによる、車両用燃料電池の開発および大型製造施設の建設プロジェクト
  • 鉄道車両アルストムによる、水素パワートレインに関わる技術開発プロジェクト

これらのプロジェクトへは、合わせて21億ユーロの公的資金が投入される。民間部門からの投資を含めると投資総額は53億ユーロに達する見通し。

ボルヌ首相はまた、グリーン水素の世界的リーダーを目指し、2020年から2030年までに約90億ユーロ(注2)の投資を実現する方針を再確認した。

2020年9月発表の「国家水素戦略PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」(2020年9月10日記事参照)の枠内で、政府はこれまでに、水電解装置、燃料電池、水素貯蔵装置、関連素材の国内での開発・生産を支援しつつ、需要面では鉄鋼、化学、ガラス、精製、陸運、鉄道、航空などエネルギー集約型産業でグリーン水素を使った脱炭素化を進めてきた。首相は今後、グリーン水素の国内生産体制が整い、コスト低下が実現すれば、グリーン水素を全てのセクター、全ての地域に普及させる段階に進めると述べた。

首相はまた、水素関連セクターの創出に向け法的枠組みを整える必要があると指摘するとともに、グリーン水素生産をEUの温室効果ガス排出量の削減目標に組み込むよう働きかけていく方針を明らかにした。

(注1)フランス政府は3月、15件のプロジェクトを公表し、欧州委員会からの承認後に補助金を支給するとしていた(2022年3月16日記事参照)。

(注2)9月28日付政府発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、「国家水素戦略」で示した70億ユーロと、「フランス2030」(2021年10月14日記事参照)に含まれる19億ユーロの合計で、89億ユーロ。

(山崎あき)

(フランス)

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