カスティージョ大統領、新外相にランダ前外相を任命、非難の声も
(ペルー)
リマ発
2022年09月21日
ペルーのペドロ・カスティージョ大統領は9月13日、9月9日に辞任したミゲル・アンヘル・ロドリゲス・マッカイ外相(2022年9月13日記事参照)の後任として、セサル・ロドリゴ・ランダ・アロージョ元憲法裁判所首席判事(2022年2月3日記事参照)を任命した。ランダ氏は2022年2月に発足した第3次カスティージョ内閣で8月の内閣改造まで外相を務め、マッカイ外相の前任でもある。ランダ前外相は自身のツイッターで「ペルーの国際政策の強化を図るため、再び外相として国に奉仕する。透明性と誠実さをもって民主制度と人権を厳守しながら、国外のペルー人たちを守る」と表明している。
ランダ前外相の任命について、議会では与野党から非難の声が上がっている。筆頭野党の右派フエルサ・ポプラール(人民勢力:FP)党のタニア・ラミレス議員は「ランダ前外相の任命はペルーの外交政策の後退を意味する。またそれ以上に、まともな外交官は誰もカスティージョ大統領の下で働きたくないということを意味している」と痛烈に批判。同じくFP党のエクトル・ベントゥーラ議員は自身のツイッターで「13カ月で70人の閣僚が変わり、大統領自身も6件の捜査対象になっている国で、まともな公共政策は望めない」とコメント。左派ペルーリブレ(ペルー自由:PL)党も、ブラディミール・セロン党首が「セサル・ランダを外相としてリサイクルするのは政権に悪いイメージを与える」と懸念の声を上げている。
なお、ランダ前外相の任命と同日付で、元生産省零細漁業局長のジェニー・パトリシア・オカンポ・エスカランテ氏も農業灌漑開発相として任命されている。オカンポ農業灌漑開発相は、農業用肥料として使われる尿素の購入に失敗して責任を取るかたちで辞任したアンドレス・リムスキィ・アレンカストレ・カルデロン前農業灌漑開発相の後任だ。
(設楽隆裕)
(ペルー)
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