米ユーティリティー・グローバル、シリーズBで2,500万ドルの資金調達、水素製造商業化加速へ

(米国、韓国、フランス、サウジアラビア)

ヒューストン発

2022年08月09日

米国水素製造企業ユーティリティー・グローバル(本社:テキサス州ヒューストン)は88日、2,500万ドルのシリーズB(注1)の資金調達を行ったと発表した。調達元は米国投資会社アラ・パートナーズ、韓国のサムスン・ベンチャー、フランスの建築資材大手サンゴバンCVC(注2)のNOVA、サウジアラビアの石油大手アラムコの4社。調達した資金は、水素製造プロセスに関するシステム開発や製造能力拡大、商業化に充てるとしている。

ユーティリティー・グローバルの水素製造プロセスは、これまで水素製造に利用されていない製鋼・製鉄所から排出される化石燃料を燃焼させたガスから、電力を利用することなく直接高純度の水素を製造できることが特徴だ。同社は、独自の製造プロセスにより、信頼性が高く、低コスト、低炭素、かつ高純度な水素を顧客に提供できるとしている。

同社のクラウス・ヌスグルーバー最高経営責任者(CEO)は「われわれは、業界で既に確立された水素製造プロセスを単に改良したり、性能を向上させたりするのではなく、全く新しい水素製造プロセスを開発している」「従来の持続可能な課題を克服するディスラプティブなソリューションを提供し、費用対効果のより高い方法でエネルギー転換を実現させる」と述べている。

米国における低炭素な水素関連の取り組みとして、三菱パワー・アメリカと米国で岩塩層内のエネルギー貯蔵ハブ開発・運営を手掛けるマグナム・デベロップメントは69日、両社がユタ州中央部で取り組む世界最大規模の産業用グリーン水素(注3)製造・貯蔵施設の開発事業について、米国エネルギー省(DOE)から5440万ドルの融資の債務保証を受けたと発表した(2022年6月20日記事参照)。また、三菱重工業は623日、産業規模での安価なグリーン水素の製造を目指す米国のエレクトリック・ハイドロジェンに、ビル・ゲイツ氏が設立したファンドの米国ブレークスルー・エナジー・ベンチャーズ、ノルウェー石油大手エクイノール、米国流通大手アマゾンなどとともに出資したと発表した(2022年6月24日記事参照)。

(注1)一般に、事業が軌道に乗り始めた段階での資金調達。

(注2)コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)、事業会社が運営する投資会社

(注3)水素はその製造方法によって(1)化石燃料を燃焼させたガスを改質することで製造する「グレー水素」、(2)グレー水素製造工程で排出された二酸化炭素(CO2)を回収し貯留または利用(CCSCCUS)することでCO2排出を抑える「ブルー水素」、(3)再生可能エネルギーを利用して水を電気分解することで製造し、製造工程でCO2を発生させない「グリーン水素」などに分かれる。

(沖本憲司)

(米国、韓国、フランス、サウジアラビア)

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