韓国銀行、基準金利を2.50%に引き上げ

(韓国)

ソウル発

2022年08月26日

韓国銀行(中央銀行)は825日、金融通貨委員会を開催し、基準金利を2.25%から0.25ポイント引き上げ、2.50%とした(2022年7月14日記事参照)。国内外の景気の下方リスクが増大しているものの、物価上昇圧力と高い期待インフレ率が続いており、物価上昇率の高止まりを防ぐために政策的対応を継続する必要があると判断した。

韓国銀行は、基準金利を引き上げした背景を以下のとおり説明している。

〇世界経済は高いインフレ率が続く中で、ウクライナ情勢の長期化、主要先進国の政策金利の大幅な引き上げなどにより景気の下方リスクが増大している。今後、世界経済と国際金融市場は、国際原材料価格や世界の物価動向、主要国の景気指標と金融政策の変化、地政学的リスクなどの影響を受けることが予測される。

〇国内経済は、消費の回復傾向が続いてきたものの、主要国の成長率低下で輸出が鈍化するなど、景気の下方リスクが大きくなった。雇用状況は就業者数の大幅な増加が続き、改善傾向が続いた。今後の国内経済は輸出の増加ペースが弱まり、今年および来年の成長率は5月の展望値(2.7%および2.4%)を下回る2.6%および2.1%をそれぞれ記録するものと予想される。

〇消費者物価は、石油類の価格上昇傾向がやや鈍化したものの、農産物および個人サービス価格の上昇幅が拡大し、6%台の高い水準が続いた。コアインフレ率は3%台後半、期待インフレ率は4%台と高い水準で推移している。今後、消費者物価上昇率は、原油価格下落の影響で低下する可能性があるものの、コアインフレ率の上昇傾向が続き、56%台の高水準で推移するものと予想される。今年および来年の消費者物価上昇率は5月の展望値(4.5%および2.9%)を大きく上回る5.2%および3.7%になると考えられる。

〇金融市場では国際金融市場の動きなどの影響を受けて大きく変動した。長期市場金利は大幅な低下の後に反騰し、ウォン安ドル高が進行した。家計負債は小幅に減少し、住宅価格は下落した。

(当間正明)

(韓国)

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