韓国銀行、基準金利を2.25%に引き上げ
(韓国)
ソウル発
2022年07月14日
韓国銀行(中央銀行)は7月13日、金融通貨委員会を開催し、基準金利を1.75%から0.5ポイント引き上げ、2.25%とした。国内外の景気減速リスクが増大しているものの、消費者物価が上昇し(2022年7月6日記事参照)、短期インフレ予想も高まっている中、インフレ抑制と米韓間の金利格差を考慮した判断となった。
韓国銀行は、今回の基準金利引き上げの背景について、以下のように説明している。
- 世界経済は、高いインフレ率が続く一方、ウクライナ情勢の長期化など成長傾向が弱まっている。国際金融市場では、主要国の政策金利の引き上げ加速と、それに伴う景気鈍化の懸念により、リスク回避的な心理が強まっている。
- 国内経済は回復傾向が続いている。輸出はやや鈍化したものの、民間消費が回復し、設備投資は回復の兆しを見せている。雇用情勢は大幅な雇用者数の増加が続くなど、改善している。今後、国内経済は回復基調が持続するが、輸出の鈍化などにより、2022年の成長率は5月の見通し(2.7%)を多少下回ると予想され、不確実性も高まると見込まれる。
- 物価率は、石油類の高い上昇率が持続し、他の品目も上昇率が拡大した。物価上昇率は当分の間、6%を上回る水準で推移するものと予想される。
- 金融市場では、長期市場金利が国内外の政策金利の引き上げ期待によって上昇し、株価は世界経済の減速懸念などで大幅に下落した。為替レートは、世界的なドル高の影響を受けて大幅なウォン安ドル高になった。
2022年の基準金利の見通しについて、ある市場関係者は、8月、10月、11月の金融通貨委員会で基準金利をそれぞれ0.25%引き上げ、年末には3.00%に達すると予想している(「ソウル新聞」7月13日)。
(当間正明)
(韓国)
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