第2四半期のGDP成長率は3.3%、前期から鈍化も6期連続のプラス成長

(ペルー)

リマ発

2022年08月26日

ペルー国家統計情報庁(INEI)は822日、2022年第2四半期(46月)の実質GDP成長率は前年同期比3.3%だったと発表した。前期から0.5ポイント下がったものの、2021年第1四半期から6期連続のプラス成長を達成した(添付資料表1参照)。INEIでは成長の要因として、雇用(5.5%増)と収入(10.6%増)の回復(注)による民間消費の増加(4.6%増)で、内需が拡大(3.2%増)したためと分析している。

民間消費は、GDP全体の65.0%を占める1,5222,000万ソル(約53,277億円、1ソル=約35円)に上り、食品が主な支出項目となっている。一方、政府消費は、公的医療費が11.5%減少したことにより、前年同期比で2.8%減を記録しているが、教育機関の対面授業再開により公的教育費が5.9%増加している。

総固定資本形成は、建設分野の成長(前年同期比3.7%増)と国産機械設備への投資増(6.3%増)の後押しを受けて、1.2%成長した。公共投資では、地方自治体による道路、電力、農業などのインフラ建設を中心に1.3%増加。民間投資部門は、建設と鉱業分野が牽引役となり、1.1%の成長となった。

財貨とサービスの輸出は、天然ガス(前年同期比4.5倍)、銅精鉱(56.7%増)、衣類(30.4%増)などが増加し、全体では3.0%増となった。仕向け先としては、中国(全輸出の25.8%)、米国(14.6%)、日本、インド、カナダ(それぞれ5.0%)が上位を占めた。一方、輸入は2.8%増加し、主な輸入品目はディーゼル燃料(30.0%増)、有機合成染料や原料(20.0%増)、ガソリン燃料(12.4%増)、原油(6.6%増)などだった。主要輸入相手国は、米国(全体の28.0%)や中国(19.1%)など。

経済活動別では、前期(2022年5月26日記事参照)に引き続き、レストランやホテル業が大幅な伸びを示し、前年同期比で38.9%増となった(添付資料表2参照)。運輸(輸送・倉庫・郵便を含む)は13.5%増、農業(畜産・狩猟・林業を含む)が4.7%増と、これらも顕著な成長率になった。農業では、特に国内向けのイモ類、玄米、サトウキビなどの生産が好調だったことに加えて、ブドウとブルーベリーの輸出量が倍増した。一方、ロシアによるウクライナ侵攻の影響により、尿素肥料の輸入価格が2.3倍に高騰したため、生産コストに影響を及ぼした。

(注)2022年第2四半期の全国世帯調査(ENAHO)結果による。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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