米シェブロン、パーミアン盆地の石油・ガス事業で用いる電力に再エネ導入へ

(米国、カナダ)

ヒューストン発

2022年08月12日

米国石油大手シェブロン(本社:カリフォルニア州サンラモン)は811日、カナダの電力会社アルゴンキン・パワー・アンド・ユーティティーズ(本社:オンタリオ州オークビル)と連携して、シェブロンの米パーミアン盆地の石油・ガス事業で用いる電力の一部を賄うための太陽光発電プロジェクトを着工したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同盆地は、テキサス州西部とニューメキシコ州南東部の一部にまたがる広大な地域で、国内有数のシェールオイルとシェールガスの生産地として知られている。

同プロジェクトでは、パーミアン盆地の120エーカー(約0.5平方キロメートル)の土地に56,000枚の太陽光パネルを設置し、設置容量にして20メガワット(MW)の発電を行うとしている。これは約15,000世帯分の電力に相当する。両社は共同で太陽光発電施設を建設し、アルゴンキンはその施設を運営し、シェブロンは太陽光発電の電力を購入する。施設は2022年末に完成予定だ。

シェブロンのコマーシャルマネジャーで、同事業のプロジェクトマネジャーでもあるフレッド・ローレンス氏は「このプロジェクトは、当社の石油・ガス事業の電力供給に役立つと同時に、当社の炭素強度(注1)を下げるという目標の達成にも役立つ」と述べている。

なお、シェブロンは616日に、同盆地での2022年の生産量見通しを前年比15%以上の増加となる日量70万~75万バレル(石油換算相当)への上方修正を発表した(2022年6月17日記事参照)。715日には、同盆地での石油・ガス生産中に発生する随伴水(注2)をリサイクルし、再生水としての利用を増やすなど、環境負荷軽減に向けた取り組みも発表した(2022年7月20日記事参照)。

(注1)エネルギー単位当たりの二酸化炭素(CO2)排出量、すなわち、CO2排出原単位を示す。炭素集約度とも呼ばれている。

(注2)原油などの生産時にともにくみ上げられる地下水。

(沖本憲司)

(米国、カナダ)

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