7月のインフレ率、燃料価格の下落で史上最大の下落幅を記録
(ブラジル)
サンパウロ発
2022年08月18日
ブラジル地理統計院(IBGE)は8月9日、代表的な物価指数である拡大消費者物価指数(IPCA)の7月の上昇率を0.68%減と発表した(添付資料表参照)。IBGEが月ごとのインフレ率を1980年に取り始めて以降、最大の下落幅となった。
前月比の上昇率を費目別にみると、9項目中2項目がマイナスとなった。交通・運輸は4.51%減、住居関連は1.05%減少した。寄与度で見ても、交通・運輸は1.00ポイント減、住居関連は0.16ポイント減と、同2項目が押し下げ要因となった。
IBGEは、交通・運輸のうち、燃料価格の低下(14.15%下落)が押し下げの主因となっており、中でもガソリン価格の下落はIPCAを構成する377品目の中で最も押し下げに寄与したと説明した。住居関連では、住宅向け電気エネルギー(5.78%減)が主因で、これは6月23日施行の憲法補完法194号/2022を踏まえ、多くの州政府が電力に関する商品サービス流通税(ICMS)を削減したことが影響している(2022年6月30日記事参照)。
IBGEはまた、国家電力庁(ANEEL)が国内に所在する公共の電力配給事業者10社の料金体系見直しを承認し、これが7月13日から電力料金の低下につながったことも影響したと説明した(注)。電力料金は1~7月累計では4.77%、直近12カ月で10.07%の上昇率となった。
(注)2022年6月27日付法律14,385号は、公共の電力配給事業者を通じて消費者から過剰に徴収していた税金を消費者に返還する必要があるとして、電力料金の見直しを規定した。
(古木勇生)
(ブラジル)
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